专利摘要:

公开号:WO1991006951A1
申请号:PCT/JP1990/001396
申请日:1990-10-31
公开日:1991-05-16
发明作者:Haruhisa Iida
申请人:Nikon Corporation;
IPC主号:G11B11-00
专利说明:
[0001] 明 細 書
[0002] オーバ—ライ ト可能な光磁気記録媒体の前処理方法及び前処理 されたオーバ一ライ 卜可能な光磁気記録媒体
[0003] 技術分野
[0004] 本発明は、 記録磁界の向きを変調せずに、 光の強度変調だけで オーバ—ライ ト (ove r write )が可能な光磁気記録媒体デイ スクを 前処理する方法及び前処理された前記ディ スク に関する。
[0005] ' 背景技術
[0006] 最近、 高密度、 大容量、 高いア ク セス速度、 並びに高い記録及 び再生速度を含めた種々の要求を満足する光学的記録再生方法、 それに使用される記録装置、 再生装置及び記録媒体を開発しょ う とする努力が成されている。
[0007] 広範囲な光学的記録再生方法の中で、 光磁気記録再生方法は、 情報を使用 した後、 消去する こ とができ、 新たな情報を記録する こ とができ るというユニークな利点のために、 最も大きな魅力に 満ちている。
[0008] この光磁気記録再生方法で使用される記録媒体は、 記録層と し て 1 層又は多層の垂直磁ィ匕膜 ( perpendicular magnetic layer or l ayers )を有する。 こ の磁化膜は、 例えばアモルフ ァ スの GdFeや GdCo、 GdFeCo、 TbFe、 TbCo、 TbFeCoなどカヽらなる 0 記録層は一般 に同心円状又はらせん状の ト ラ ッ クを成しており、 この ト ラ ッ ク の上に情報が記録される。 こ こで、 本明細書では、 膜面に対し 「上向き (upward ) 」 又は 「下向き ( downward )」 の何れ力、一方を、
[0009] 「 A向き」 、 他方を 「逆 A向き」 と定義する。 記録すべき情報は、 予め 2値化されており、 この情報が 「 A向き」 の磁化を有する ビッ ト ( B ^ )と、 「逆 A向き」 の磁化を有する ビッ ト ( B。 )の 2 つの信号で記録される。 これらの ビッ ト B , . B。 は、 デジタル 信号の 1 , 0 の何れか一方と他方にそれぞれ相当する。 しかし、 一般には記録される トラ ッ クの磁化は、 記録前に強力な外部磁場 を印加する ことによって 「逆 A向き」 に揃えられる。 この処理は 初期化( initialize )と呼ばれる。 その上で トラ ッ クに 「 A向き j の磁化を有する ビッ ト を形成する。 情報は、 このビッ ト の有無及び Z又はビッ ト長によって記録される。
[0010] 第 1 図に基づいて、 ビッ ト形成の原理を説明する。
[0011] ビッ 卜の形成に於いては、 レーザーの特徴即ち空間的時間的に 素晴ら しい凝集性( coherence ) が有利に使用され、 レーザ一光の 波長によって決定される回折限界とほとんど同 じ位に小さいス ポ ッ 卜 に ビームが絞り込まれる。 絞り込まれた光は ト ラ ッ ク表面 に照射され、 記録層に直径が 1 m以下のビッ 卜を形成する こと により情報が記録される。 光学的記録においては、 理論的に約 10 8 ビッ 卜 Z cnf までの記録密度を達成する ことができる。 何故な ら ば、 レーザビームはその波長とほとんど同じ位に小さい直径を有 するスポッ 卜にまで凝縮( concentrate ) する こ とが出来る力、らで ある。
[0012] 第 1 図に示すよう に、 光磁気記録においては、 レーザ一ビーム Lを記録層 1 の上に絞り こみ、 それを加熱する。 その間、 初期化 された向き とは反対の向きの記録磁界 H b を加熱された部分に外 部から印加する。 そうする と局部的に加熱された部分の保磁力 H c ( coersivity ) は減少し記録磁界 H b より小さ く なる。 その結果、 その部分の磁化は、 記録磁界 H b の向きに並ぶ。 こ う して逆に磁 化されたビッ 卜が形成される。
[0013] フ エ 口磁性材料とフ ェ リ磁性材料では、 磁化及び H e の温度依 存性が異なる。 フ ヱ ロ磁性材料はキュ リ 一点付近で減少する H c を有し、 この現象に基づいて記録が実行される。 従って、 T c 書 込み (キュ リ ー点書込み) と引用される。
[0014] 他方、 フ リ磁性材料はキュ リ 一点よ り低い捕償温度
[0015] ( compensation temperature )を有しておりヽ そこでは磁ィ匕 Mはゼ 口になる。 逆にこの温度付近で H c が非常に大き く なり、 その温 度から外れると H e が急激に低下する。 この低下した H e は、 比 較的弱い記録磁界 H b によ って打ち負かされる。 つま り、 記録が 可能になる。 この記録プロセスは T «:。 m p . 書込み (補償点書込 み) と呼ばれる。
[0016] も っ と も、 キュ リ ー点又はその近辺、 及び捕償温度の近辺にこ だわる必要はない。 要するに、 室温よ り高い所定の温度に於いて- 低下した H c を有する磁性材料に対し、 その低下した H c を打ち 負かせる記録磁界 H b を印加すれば、 記録は可能である。
[0017] 次に、 第 2図に基づいて再生の原理を説明する。
[0018] 第 2 図は、 光磁気効果に基づく 情報再生の原理を示す。 光は、 光路に垂直な平面上で全ての方向に通常は発散している電磁場べ ク トルを有する電磁波である。 光が直線偏光 L P に変換され、 そ して記録層 1 に照射されたと き、 光はその表面で反射されるか又 は記録層 1 を透過する。 このと き、 偏光面は磁化 (M ) の向きに 従って回転する。 この回転する現象は、 磁気力一 (Kerr ) 効果又 は磁気フ ァ ラデー (Faraday ) 効果と呼ばれる。
[0019] 例えば、 .も し反射光の偏光面が 「 A向き」 磁化に対して 0 k 度 回転する とすると、 「逆 A向き」 磁化に対しては— 0 k 度回転す る。 従って、 光アナライザ一 (偏光子) の軸を一 0 k 度傾けた面 に垂直にセ ッ ト しておく と、 「逆 A向き」 に磁化された ビッ ト B から反射された光はアナライザ一を透過する こ とができない。 それに対して Γ A向き」 に磁化された ビッ ト B から反射された 光は、 ( sin2 e k ) 2 を乗じた分がアナライザーを透過し、 ディ テ ク タ 一 (光電変換手段) に捕獲される。 その結果、 「 A向き」 に 磁化された ビッ ト B i は 「逆 A向き J に磁化されたビッ ト B。 よ り も明る く 見え、 ディ テクターに於いて強い電気信号を発生させ る。 このディ テクタ一からの電気信号は、 記録された情報に従つ て変調されるので、 情報が再生されるのである。
[0020] と こ ろで、 記録ずみの媒体を再使用する には、 ( i ) 媒体を再 び初期化装置で初期化するか、 又は ( ) 記録装置に記録へッ ド と同様な消去へッ ドを併設するか、 又は (51 ) 予め、 前段処理と して記録装置又は消去装置を用いて記録ずみ情報を消去する必要 がある。 従って、 光磁気記録方式では、 これまで、 記録ずみ情 報の有無にかかわらず新たな情報をその場で記録でき るオーバ一 ライ ト (over write )は、 不可能と されていた。
[0021] も っ と も、 も し記録磁界 H b の向きを必要に応じて 「A向き」 と 「逆 A向き」 との間で自由に変調することができれば、 ォー バーライ トが可能になる。 しかしながら、 記録磁界 H b の向きを 高速度で変調する こ とは不可能である。 例えば、 記録磁界 H b が 永久磁石である場合、 磁石の向きを機械的に反転させる必要があ る。 しかし、 磁石の向きを高速で反転させることは、 無理である < 記録磁界 H b が電磁石である場合にも、 大容量の電流の向きをそ のよう に高速で変調する ことは不可能である。
[0022] しかしながら、 技術の進歩は著し く 、 記凝磁界 H b を ON、 OFF せずに又は記録磁界 H b の向きを変調せずに、 照射する光の強度 だけを記録すべき 2値化情報に従い変調することによ り、 ォー バ一ライ トが可能な光磁気記録方法と、 それに使用されるォー バーライ ト可能な光磁気記録媒体と、 同じ く それに使用される オーバーライ ト可能な記録装置が発明され、 特許出願された ( U . S . Seria l No . 453 , 255 1989年 12月 20曰出願) 。 以下、 卜記 特許出願に開示された基本発明を説明する。
[0023] 基本発明の特徴の 1 つは、 記録層 (第 1 層) と記録捕助層 (第 2層) との少な く と も 2層構造の多層垂直磁化膜からなる光磁気 記録媒体を使用する こ とである。 そ して、 情報を 「 A向き」 磁化 を有する ビッ ト と 「逆 A向き」 磁化を有する ビッ 卜で第 1 層 (場 合によ り第 2層にも) に記録するのである。
[0024] 基本発明によるオーバ一ライ ト方法は、
[0025] (a) 記録媒体を移動させる こ と ;
[0026] (b) 初期捕助磁界 Hini. を印加する こ と によ って、 記録する前ま でに、 第 1 層の磁化はそのま ま に しておき、 第 2層の磁化のみを、
[0027] 「 A向き」 に揃えておく こ と ;
[0028] (c) レーザー ビームを媒体に照射する こ と ;
[0029] ( d ) 前記ビーム強度を記録すべき 2値化情報に従いパルス状に変 調する こと -;
[0030] (e) 前記ビームを照射した時、 照射部分に記録磁界を印加する こ と ;
[0031] (f ) 前記パルス状ビームの強度が高レベルの時に 「 A向き」 磁化 を有する ビッ ト又は 「逆 A向き J
[0032] 磁化を有する ビッ 卜の何れか一方を形成させ、 ビーム強度が低レ ベルの時に、 他方の ビッ トを形成させる こと ;
[0033] 力、 なる。
[0034] 基本発明では、 記録する と きには、 例えば
[0035] (a) 光磁気記録媒体を移動させる手段;
[0036] (b) 初期捕助磁界 Hini. 印加手段;
[0037] (c) レーザー ビーム光源;
[0038] (d) 記録すべき 2値化情報に従い、 ビーム強度を 「 A向き」 磁化 を有する ビッ 卜 と 「逆 A向き」 磁化を有する ビッ 卜の何れか一方 のビッ 卜を形成させるのに適当な温度を媒体に与える高レベルと 他方のビッ 卜を形成させるのに適当な温度を媒体に与える低レべ ルとにパルス状に変調する変調手段;
[0039] ( e ) 前記初期捕助磁界印加手段と兼用される こ とがあ り得る記録 磁界印加手段;
[0040] からなるオーバ一ライ ト可能な光磁気記録装置を使用する。
[0041] 基本発明では、 レーザ一ビームは、 記録すべき情報に従いパル ス状に変調される。 しかし、 このこ と 自身は、 従来の光磁気記録 でも行われており、 記録すべき 2値化情報に従いビーム強度をパ ルス状に変調する手段は既知の手段である。 例えば、 THE BELL SYSTEM TECHNICAL JOURNAL , Vol . 62 ( 1983 ) , 1923— 1936に詳し く 説明されている。 従って、 ビーム強度の必要な高レベルと低レ ベルが与えられれば、 従来の変調手段を一部修正するだけで容易 に入手できる。 当業者にと って、 そのような修正は、 ビーム強度 の高レベルと低レベルが与えられれば、 容易であろう。
[0042] 基本発明に於いて特徴的なこ との 1 つは、 ビーム強度の高レべ ルと低レベルである。 即ち、 ビーム強度が高レベルの時に、 記録 磁界 H b により記録捕助層 (第 2層) の 「A向き」 磁化を 「逆 A 向き」 に反転 (reverse )させ、 この第 2層の 「逆 A向き」 磁化に よって記録層 (第 1 層) に 「逆 A向き J 磁化 〔又は 「A向き」 磁 化〕 を有する ビッ トを形成する。 ビーム強度が低レベルの時は、 第 2層の Γ Α向き」 磁化によって第 1 層に 「A向き」
[0043] 磁化 〔又は 「逆 A向き j 磁化〕 を有する ビッ トを形成する。
[0044] なお、 本明細書では、
[0045] 〇〇〇 〔又は△△△〕 という表現は、 先に 〔 〕 の外の〇〇〇を 読んだときには、 以下の〇〇〇
[0046] 〔又は△△△〕 のときにも、 〔 〕 の外の〇〇〇を読むことにす る。 それに対して先に o〇〇を読まずに 〔 〕 内の△△△の方を 選択して読んだと きには、 以下の〇〇〇 〔又は△△△〕 のと きに も〇〇〇を読まずに 〔 〕 内の△△△を読むものとする。
[0047] すでに知られているよ う に、 記録を しない時にも、 例えば媒体 における所定の記録場所をアクセスするためにレーザ一 ビームを 第 1 低レベルで点灯する ことがある。 また、 レーザ一 ビームを再 生に兼用すると きには、 第 1 低レベルの強度でレーザー ビームを 点灯させることがある。 本発明においても、 レーザービームの強 度をこの第 1 低レベルにする こ と もある。 し力、し、 ビッ トを形成 する と きの レベルは、 こ の第 1 低レベルよ り も高い第 2 低レベル である。 従って、 例えば、 基本発明における レーザービームの出 力波形は第 3 図のよ う になる。
[0048] なお、 基本発明の明細書には明記されていないが、 基本発明で は、 記録用のビームは、 1 本ではな く 近接した 2本のビームを用 いて、 先行ビームを原則と して変調 しない低レベルのレーザー ビーム (消去用) と し、 後行ビームを情報に従い変調する高レべ ルの レーザ一 ビーム (書込用) と してもよい。 この場合、 後行 ビームは、 高レベルと基底レベル (低レベルと同一又はそれより 低いレベルであり、 出力がゼロでもよい) との間でパルス変調さ れる。 この場合の出力波形は第 4 図のよう になる。
[0049] 基本発明で使用される媒体は、 第 1 実施態様と第 2実施態様と に大別される。 いずれの実施態様においても記録媒体は、 第 5 図 に示すよう に、 記録層 (第 1 層) と記録捕助層 (第 2層) を含む 多層構造を有する。
[0050] 第 1 層は、 室温で保磁力が高く 磁化反転温度が低い記録層であ る。 第 2層は第 1 層に比べ相対的に室温で保磁力が低く 磁化反転 温度が高い記録補助層である。 なお、 第 1 層と第 2層と もに、 そ れ自体多層膜から構成されていてもよい。 場合により第 1 層と第 2層との間に第 3の層が存在していてもよい。 更に第 1 層と第 2 層との間に明確な境界がなく 、 一方から徐々に他方に変わっても よい。
[0051] 第 1 実施態様では、 記録層の保磁力を H cl、 記録捕助層のそれ を H C2、 第 1 層のキュ リ ー点を T C1、 第 2層のそれを T C2、 室温 を T R 、 低レベルのレーザ一ビームを照射した時の記録媒体の温 度を T L 、 高レベルの レーザー ビームを照射した時のそれを T H 、 第 1 層が受ける結合磁界を H D1、 第 2層が受ける結合磁界を H D2と した場合、 記録媒体は、 下記の条件式 1 を満足し、 そ して室 温で条件式 2〜 5 を満足する ものである。
[0052]
[0053] n ciノ H c2+ I H l + n 2 2
[0054] H C l > H D I " - 3
[0055] n c 2 > H 2 - - ― 4
[0056] H c 2 + H D 2 < I Hini. I く H CI± H。 - --… 5
[0057] 上記条件式中、 符号 は、 等しいか又は大略等しいことを 表す。 また上記条件式中、 複合土, ΐについては、 上段が後述す る A ( antiparallel) タイプの媒体の場合であり、 下段は後述す る P (parallel)タイプの媒体の場合である。 なお、 フ ヱ ロ磁性体 媒体は Pタイプに属する。
[0058] 保磁力と温度との関係を第 6 図で示す。 細線は第 1 層のそれを、 太線は第 2層のそれを表す。
[0059] 従って、 この記録媒体に室温で初期捕助磁界(Hini. ) を印加す ると、 条件式 5 によれば、 記録層 (第 1層) の磁化の向きは反転 せずに記録捕助層 (第 2層) の磁化のみが反転する。 そ こで、 記 録前に媒体に初期捕助磁界(Hini. ) を印加すると、 第 2層のみを Γ A向き」 こ こでは 「A向き」 を便宜的に本明細書紙面に おいて上向きの矢 で示し、 「逆 Α向き J を下向きの矢 ^で示す に磁化させる こ とができ る。 そ して、 Hini . がゼ口に なっても、 条件式 4 により、 第 2層の磁化 は再反転せずにその ま ま保持される。
[0060] 初期補助磁界(Hini. ) によ り第 2層のみが、 記録直前まで Γ Α 向き」 に磁化されている状態を概念的に表すと第 7図のよう に ' なる。 こ こで、 第 1 層における磁化の向き * はそれまでに記録さ れていた情報を表わす。 第 8 図では第 7 図の媒体に高レベルの レーザ一ビームを照射した際の磁化の向きを しめ し、 磁化の向き が関係がないものを Xで示す。
[0061] 第 1 状態では、 高レベルの レーザー ビームを照射して媒体温度 を T H に上昇させる。 すると、 T H はキュ リ ー点 T C1よ り高温度 なので記録層 (第 1 層) の磁化は消失してしま う。 更に T H は キュ リ ー点 T C2付近なので記録補助層 (第 2層) の磁化も全く 又 はほぼ消失する。 こ こで、 媒体の種類に応じて 「 A向き」 又は
[0062] 「逆 A向き」 の記録磁界 (H b)を印加する。 記録磁界 ( H b)は、 媒体自身からの浮遊磁界でもよい。 説明を簡単にするために 「逆 A向き」 の記録磁界 ( H b)を印加したとする。 媒体は移動してい るので、 照射された部分は、 レーザービームから直ぐに遠ざかり、 冷却される。 H b の存在下で、 媒体の温度が低下すると、 第 2層 の磁化は、 H b に従い、 反転されて 「逆 A向き」 の磁化となる
[0063] (状態 2 H ) 。
[0064] そ して、 さ らに放冷が進み、 媒体温度が T C1より少し下がると 状態 3 H となり、 再び第 1 層の磁化が現れる。 その場合、 磁気的 結合 (交換結合) 力のために、 第 1 層の磁化の向きは、 第 2層の 磁化の向きの影響を受ける。 その結果、 媒体に応じて ( Ρタイ プの媒体の場合) 又は (Aタイプの媒体の場合) が生じる。 この高レベルの レーザ一 ビームによる状態の変化をこ こでは高 温サイ クルと呼ぶことにする。
[0065] 次に、 第 9 図を参照のよう に、 低レベルのレーザービームを照 射して媒体温度を T L に上昇させて状態 2 L となる。 Τ ι_ はキュ リ 一点 T c t付近なので第 1 層の磁化は全く 又はほぼ消失してしま うが、 キュ リ 一点 T C 2より は低温であるので第 2層の磁化は消失 しない。
[0066] こ こでは、 記録磁界 ( H b )は、 不要であるが、 高速度 (短時 間) で H b を O N、 O F Fする ことは不可能である。 従って、 止 むを得ず高温サイ クルのときのままになっている。
[0067] しかし、 H C 2はまだ大きいままなので、 H b によって第 2層の 磁化が反転する ことはない。 媒体は移動しているので、 照射され た部分は、 .レーザービームから直ぐに遠ざかり、 冷却される。 冷 却が進むと状態 3 :_ となり、 再び第 1 層の磁化が現れる。 現れる 磁化の向きは、 磁気的結合力のために第 2層の磁化の向きの影響 を受ける。 その結果、 媒体によって ( Pタイプの場合) 又は ( Aタイプの場合) の磁化が出現する。 この磁化は室温でも変わ らない。
[0068] この低レベルのレーザ一ビームによる状態の変化をここでは低 温サイ クルと呼ぶことにする。
[0069] 以上、 第 1 層の磁化の向きがどうであれ、 高温サイ クルと低温 サイ クルとによって、 互いに反対向きの磁化 1ί又は を有する ビッ 卜が形成される。 つま り、 レーザ一ビームを情報に従い高レ ベル (高温サイ クル) と低レベル (低温サイ クル) との間でパル ス状に変調することによりオーバ—ライ 卜が可能となる。 このこ とを第 1 0図に示す。 これまでの説明は、 第 1 層、 第 2層と もに室温とキュ リ ー点と の間に捕償温度 T cra P. がない磁性体組成について説明した。 し かし、 捕償温度 T cm P. が存在する場合には、 それを越えると磁 化の向きが反転し、 更に A、 P タイプでは向きの変化が異なるの で説明はそれだけ複雑になる。 また、 記録磁界 H b の向き も、 室 温で考えた場合、 前頁の説明の向き 丄 と逆になる。
[0070] 記録媒体は一般にディ スク状であり、 記録時、 媒体は回転され る。 そのため、 記録された部分 (ビッ ト) は、 1 回転する間に再 び Hini . の作用を受け、 その結果、 記録捕助層 (第 2層) の磁化 は元の 「 A向き」 に揃えられる。 しかし、 室温では、 第 2層の 磁化の影響が記録層 (第 1 層) に及ぶこ と はな く 、 そのため記録 された情報は保持される。
[0071] そ こで、 第 1 層に直線偏光を照射すれば、 その反射光には情報 が含まれているので、 従来の光磁気記録媒体と同様に情報が再生 される。 なお、 第 1 層と第 2層の組成設計によっては、 再生前に 再生磁界 H R を印加する こ と によ り 、 元の 「 A向き J ΐに揃えら れた第 2層に第 1 層の情報を転写させる方法や、 再生磁界 H R を 印加せずと も Hini . の影響がな く なるや否や第 2層に第 1 層の情 報が自然転写される ものがあるので、 この場合には、 第 2層から 情報を再生してもよい。
[0072] このよ う な記録層 (第 1 層) 及び記録補助層 (第 2層) を構成 する垂直磁化膜は、 捕償温度を有せずキュ リ ー点を有するフエ口 磁性体及びフェ リ磁性体、 並びに捕償温度、 キュ リ ー点の双方を 有するフェ リ磁性体の非晶質或いは結晶質からなる群から選択さ れる。
[0073] 以上の説明は、 磁化反転温度と してキュ リ ー点を利用 した第 1 実施態様の説明である。 それに対して第 2実施態様は室温より高 い所定の温度に於いて低下した H e を利用する ものである。 第 2 実施態様は、 第 1 実施態様に於ける T c lの代わりに記録層 (第 1 層) が記録捕助層 (第 2層) に磁気結合される温度 T s lを使用 し、 T C2の代わりに第 2層が H b で反転する温度 T S2を使用すれば、 第 1 実施態様と同様に説明される。
[0074] 第 2実施態様では、 第 1 層の保磁力を H C1、 第 2層のそれを H C2、 第 1 層が第 2層に磁気的に結合される温度を T s lと し、 第 2 ' 層の磁化が H b で反転する温度を T S2、 室温を T R 、 低レベルの レーザ一ビームを照射した時の媒体の温度を T 、 高レベルの レーザ一ビームを照射した時のそれを T 、 第 1 層が受ける結合 磁界を H D1、 第 2層が受ける結合磁界を H D2と した場合、 記録媒 体は、 下記条件式 6 を満足し、 かつ室温で条件式?〜 10を満足す る ものである。 - T < T . ιί¾ T < T s2« Τ 6
[0075] H ci > H c2+ I 1 H 2 I - /
[0076] H 1 > - 8
[0077] H c 2〉 H 2 " 9
[0078] H c 2 + H D 2 < I Hini. | < H c i ± H 10
[0079] 上記条件式中、 複合士, ΐについては、 上段が後述する Αタ イ プの媒体の場合であり、 下段は後述する Pタイプの媒体の場合で ある。
[0080] 第 1 1 図に基づいて説明する と、 第 2実施態様では、 高温 T のとき、 第 2層の磁化は消失していないが、 十分に弱い。 第 1層 の磁化は消失しているか、 又は十分に弱い。 第 1 層、 第 2層と も に十分に弱い磁化を残留していても、 記録磁界 Hb が十分に大き く 、 H b が第 2層及び場合により第 1 層の磁化の向きを H b に従 わせて状態 2 H となる。 この後、 直ちに又はレーザ一 ビームの照射が無く なって放冷が 進み、 媒体温度が T H よ り下がった時又は H b から遠ざかった時、 第 2層がび w を介して第 1 層に影響を及ぼして第 1 層の向きを安 定な向きに従わせる。 その結果、 状態 3 H となる。 もと もと第 1 層の磁化が安定な向きにあると きは変化しない。
[0081] 他方、 第 1 2 図のよ う に、 低温 T L のと き、 第 1 層、 第 2層共 に磁化を消失していないが、 第 1 層のそれは十分に弱い。 従って、 第 1 層の磁化の向きは、 H b の影響よ り大きな第 2層の磁化の影 響をひ w を介して受ける。 但し、 第 2層は、 十分な磁化を有する ので、 磁化が H b によって反耘する こ と はない。 その結果 H b に 無関係に状態 3 L となる。
[0082] 以上の説明は、 第 1 層、 第 2層と もに室温とキュ リ ー点との間 に補償温度 T cm p. がない磁性体組成について説明した。 しかし、 補償温度 T <:。 m P . が存在する場合には、 上述のよ う に複雑にな り、 記録磁界 H b の向き も室温で考えた場合の向き と逆になる。 第 1 、 第 2 実施態様と もに、 記録層 (第 1 層) と記録補助層 (第 2 層) とが遷移金属 (例えば Fe , Co ) —重希土類金属( 例えば
[0083] Gd , Tb , Dyその他) 合金組成から選択された非晶質フ リ 磁性体で ある記録媒体が好ま しい。
[0084] 第 1 層と第 2層の双方と も、 遷移金属(transition metal )—重 希土類金属(heavy rare earth metal ) 合金組成カヽら選択された 場合には、 各合金と しての外部に現れる磁化の向き及び大きさは、 合金内部の遷移金属原子 (以下、 T Mと略す) のス ピン (spin )の 向き及び大きさと重希土類金属原子 (以下、 R E と略す) のス ピ ンの向き及び大きさ との関係で決ま る。 例えば T Mのス ピンの向 き及び大きさを点線のべク トル Tで表わ し、 R Eのス ピンのそれ を実線のべク トル で表し、 合金全体の磁化の向き及び大きさを 二重実線のべク トル ΐ"で表す。 このと き、 べク トル はべク トル Τ とべク トル† との和と して表わされる。 ただし、 合金の中では T Mス ピン と R E ス ピンとの相互作用のためにベク トル† とべク トル† とは、 向きが必ず逆になつている。 従って、 と † との和 或いは丄 と † との和は、 両者の強度が等しいとき、 合金のべク ト ルはゼロ (つま り、 外部に現れる磁化の大きさはゼロ) になる。 このゼロになる と きの合金組成は捕償組成(compensation composition ) と呼ばれる。 それ以外の組成のと きには、 合金は 両ス ピンの強度差に等しい強度を有し、 いずれか大きい方のべク ト ルの向きに等しい向きを有するべク 卜ノレ ( 又は ) を有する。 このべク ト ルの磁化が外部に現れる。 例えば は となり、 个丄は ^ となる。
[0085] ある合金組成の T Mス ピ ンと R E ス ピンの各ベク トルの強度が、 どち らか一方が大きいと き、 その合金組成は、 強度の大きい方の ス ピン名をと つて〇 Oリ ツチ例えば R E リ ツチであると呼ばれる。 第 1 層と第 2層の両方について、 T Mリ ツチな組成と R E リ ッ チな組成と に分けられる。 従って、 縦軸座標に第 1 層の組成を横 轴座標に第 2層の組成をと ると、 基本発明の媒体全体と しては、 種類を第 1 3 図に示すよう な 4 象限に分類することができる。 先 に述べた Pタイプは I 象限と m象限に属する ものであり、 Aタイ プは I象限と IV象限に属する ものである。 因に、 縦横座標の交点 は両層の補償組成を表す。
[0086] 一方、 温度変化に対する保磁力の変化を見ると、 キュ リ ー点 (保磁力ゼロの温度) に達する前に保磁力が一旦無限大に増加し てまた降下すると言う特性を持つ合金組成がある。 この無限大の ときに相当する温度は捕償温度 ( T «:。 m P. ) と呼ばれる。 捕償温 度は、 T Mリ ッチの合金組成においては、 室温からキュ リ ー点の 間には存在しない。 室温より下にある捕償温度は、 光磁気記録に おいては無意味であるので、 この明細書で捕償温度とは室温から キュ リ ー点の間に存在する ものを言う こ とにする。
[0087] 第 1 層と第 2層の補償温度の有無について分類すると、 媒体は 4 つのタイプに分類される。 第 I 象限の媒体は、 4 つ全部のタイ プが含まれる。 4 つのタイプを保磁力と温度との関係は第 1 4 A , 第 1 4 B , 第 1 4 C及び第 1 4 D図に示される。
[0088] こ こで、 記録層 (第 1 層) と記録捕助層 (第 2層) の両方につ いて R E リ ツチか T Mリ ツ チかで分け、 かつ捕償温度を持つか持 たないかで分けると、 記録媒体は次の 9 ク ラスに分類される。
[0089] ク ラ I 象限 ( Pタイプ) タィ
[0090] ス プ
[0091] 第 1 層 :
[0092] R E リ ッチ R E リ ッチ
[0093] 1 c o mp. あり TL c。ιηρ. あ ) 1
[0094] 2 1 c o m p . し Ί c。m p. あ り 2
[0095] 3 1 c。 m p. あり I c o m p . な し 3
[0096] 4 丄 o m p . ゴ し I c o m p . Jよ し 4 ク ラ H象限 ( Aタイプ) タィ
[0097] ス プ
[0098] 第 1 層 : 第 2層 :
[0099] R E リ ッチ T Mリ ツチ
[0100] 5 c。 m p . の り I c o m p . 〕 し 3
[0101] 6 I c o m . な し 1 c o m p . ^ο» し 4 ク ラ m象限 ( pタイプ) 夕ィ
[0102] ス プ
[0103] T Mリ ツチ Τ Μリ ツチ
[0104] 7 1 c o m p . し I c σ m ρ . ふし 4 ク ラ IV象限 ( Aタイ プ) タィ
[0105] ス プ
[0106] 第 2層 :
[0107] T Mリ ツチ R E リ ッチ
[0108] 8 1 c o tn p . し Γ c omp. あ 9 2
[0109] 9 1 c o m p . な し 丄 c o m p - 7よ し 4 デ ィ ス ク には、 一般にそうであるが、 磁性層を層平面に対し垂直 方向から見た場合、 情報を記録する 卜ラ ッ クが渦巻状又は同心円状 に形成され、 隣接する トラ ッ ク間に分離ゾーンが存在する。
[0110] 媒体の製作時、 分離ゾーンに位置する磁性層の磁化の向きは、 し ばしば不揃いである。 他方、 オーバーライ ト記録を実施すると、 磁 界は一般に トラ ッ ク幅のような狭い領域に絞り込むことが不可能で あるので、 トラ ッ クの両脇にある分離ゾー ンにも初期捕助磁界 Hini. が印加され、 分離ゾー ン内の記録捕助層の磁化が初期捕助磁界 Hini. の向きに揃えられる。 する と、 分離ゾーン内で記録層の磁化の向き が、 記録補助層に対して安定な向きでない部分では、 記録層と記録 捕助層との間に磁壁を生じる。 仮に不揃いでな く と も、 不用意に初 期捕助磁界 Hini . を印加する と、 分離ゾー ンの全領域に磁壁が生じ る場合がある。
[0111] 基本発明に従い記録する と、 上記こ とが原因と して C Z N比が低 下したり、 前の情報が再生されたり して、 情報を読み誤る率が高く なる という問題点があつた。
[0112] 本発明者は、 鋭意研究した結果、 分離ゾー ンで記録層と記録補助 層との間に磁壁が存在する と、 前述の問題点が発生する こ とを突き 止めた。
[0113] 本発明の目的は情報の再生時の情報を読み誤り率を抑制するよ う な媒体処理方法を提供する こ とにある。
[0114] 本発明の開示
[0115] 本発明は上記目的を達成する為に、 垂直磁気異方性である記録層 と記録捕助層とを含み、 情報を記録する複数の トラ ッ ク と隣接する ト ラ ッ ク間に分離ゾーンが形成された記録媒体を用い、 媒体に情報 を記録する前に、 媒体に初期捕助磁界を印加して前記記録層の磁化 を変えずに前記記録捕助層の磁化を第 1 の方向に揃え、 前記初期補 助磁界の印加により前記分離ゾー ンにおいて前記記録層と前記記録 補助層との間に磁壁が生じないよ う に、 前記分離ゾーンに前処理磁 界を印加して該分離ゾーンの前記記録層の磁化の向きを第 2 の方向 に揃えるよう に した。
[0116] こ う して、 前処理されたディ スク媒体は、 次に情報が記録される が、 その前に媒体の トラ ッ クの記録捕助層は初期補助磁界 Hini . を 受ける。 初期補助磁界 Hini . は トラ ッ ク幅のような狭い範囲に絞る こ とが困難なので、 トラ ッ クをはみ出 して分離ゾーンにまで及ぶ。 そのため、 予想していた初期捕助磁界 Hini . の印加の向きと、 実際 に記録すると きに印加される初期捕助磁界 Hini . 向きとが異なった 場合には、 分離ゾー ンの記録層と記録捕助層との間に磁壁が生じて しま う。
[0117] 従って、 本発明では更に、 前処理時に想定した初期捕助磁界 Hini. の印加の向き と、 実際の記録時に印加される初期捕助磁界 Hini . の 向き とが異ならないよう に、 ディ スク 自体又はそれを収納した容器 に、 その向きを表示するよう に した。
[0118] 本発明では、 磁壁を完全に消失させるために、 分離ゾー ンに於い て、 記録層の磁化を記録捕助層の磁化の向きに対して安定な向きに 揃えるには、 例えば次のような方法がある。
[0119] (1)常温にて媒体全体又は トラ ッ クの形成された記録領域全体に大 きな前処理磁界を印加する。 この方法では、 分離ゾー ンも トラ ッ ク も共に記録層の磁化は一方の向きに揃えられる。
[0120] (2)媒体全体又は ト ラ ッ クの形成された記録領域全体を加温する こ とにより、 媒体の保磁力を小さ く した上で、 前処理磁界を加温した 部分に印加する方法。 この方法でも、 分離ゾー ンも トラ ッ ク も共に 記録層の磁化は一方の向きに揃えられる。
[0121] (3)基本発明でいう記録磁界 H b と同等又はそれ以上の強度を持ち 記録磁界 H b とは反対向きの前処理磁界を分離ゾー ンに印加しなが ら、 分離ゾー ンを加温する方法。 加温の方法は、 例えば、 前処理磁 界の印加と同時に高レベル又はそれ以上で固定して変調させずに、 レーザ一ビームを分離ゾー ンに照射する。 この方法では、 分離ゾ一 ンの記録層の磁化が一方の向きに揃えられる。
[0122] 分離ゾーンには、 一般には溝が連続的に又は間欠的に形成されて おり、 その場合、 ト ラ ッ クはラ ン ドと呼ばれる。
[0123] 基本発明の媒体には、 大き く 別けて Pタイプと Aタイプがある。 前者は記録層と記録捕助層の磁化の向きが同じ向きのと き安定であ り、 両層の間に磁壁が生じる こ とがない。 後者は記録層と記録捕助 層との磁化の向きが反対向きのと き安定であり、 両層の間に磁壁が 生じる こ とがない。
[0124] こ こで第 1 表に示したク ラ ス 1 の記録媒体 ( Pタイ プ · I 象限 • タイ プ 1 ) に属する媒体 Να ΐ を例にと り、 オーバーライ ト原理 について詳細に説明する。
[0125] この媒体 Να 1 は、 次条件式 11:
[0126] T R < T c cmp. 1 < T L < T H ^ T ci^ T c 2
[0127] 及び条件式 11の 2 : T c omp. 2 < T C 1
[0128] の関係を有する。 説明を簡単にする 目的から、 以下の説明は、 T H く T C 1 < T c 2の関係を有する ものについて説明する。 T c ro P. 2 は、 T L よ り も高く と も、 等し く と も、 低く と もよいが、 説明を 簡単にする目的から、 以下の説明では、 T L < T c。mP. 2とする。 以上の関係を第 1 5図に示す。
[0129] 室温 T R で第 1 層 (記録層) の磁界が初期捕助磁界 Hini. によ り反転せずに第 2層のみが反転する条件は、 条件式 I·2である。 こ の媒体 Να 1 は条件式 I2を満足する。
[0130] 条件式 12: σ σ ,
[0131] H C I H C 2 + +
[0132] 2 M s i t i 2 M s 2 t
[0133] 但し、 H C1 : 第 1 層の保磁力
[0134] H C2 : 第 2層の保磁力
[0135] M si : 第 1層の飽和磁気モーメ ン ト
[0136] ( saturation magnetization ) M s 2 : 第 2層の飽和磁気モ一メ ン 卜
[0137] t 1 : 第 1層の膜厚
[0138] t 2 : 第 2層の膜厚
[0139] σ w : 界面磁壁エネノレ干— ( interface wall energy) このと き、 Hini. の条件式は、 条件式 15で示される。 Hini. が 無く なると、 第 1 層、 第 2層の磁化は界面磁壁エネルギーにより 互いに影響を受ける。 それでも第 1 層、 第 2層の磁化が反転せず に保持される条件は、 条件式 13〜 I4で示される。 この媒体 No. 1 は 条件式 13~14を満足する。 σ w
[0140] 条件式 13 Η >
[0141] 2 M si
[0142] σ w
[0143] 条件式 14: Η c 2 >
[0144] 2 M S 2 t 2
[0145] 室温で条件式 12~ I4の条件を満足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに次条件式 15: σ σ
[0146] Η C 2 + < I Hini. I < H ci
[0147] 2 M S 2 t 2 2 M S 1 t 1
[0148] を満足する Hini . により例えば Γ A向き」 ( T) に揃えられる このと き、 第 1 6 図の状態 1 , 及び l b で示すよう に、 第 1 層は 前の記録状態のままで残る。 状態 l a のよう に、 第 1 層の磁化の 向きが 「逆 A向き」 になると第 1 層と第 2層との間に磁壁が生じ る。 この状態 1 , 及び l b は記録直前まで保持される。
[0149] 次に、 記録磁界 H b が Γ Α向き」 Tに印加される。
[0150] なお、 記録磁界 H b は、 一般の磁界がそうであるよう に、 レー ザ一ビームの照射領域 (スポッ ト領域) と同一の範囲に絞ること は難しい。 媒体がディ スク状の場合、 一旦記録された情報 (ビッ ト) は、 1 回転した場合、 途中で Hini. の影響を受け、 再び状態 1 となる。 そ して、 次に、 そのビッ トは、 レーザ一ビームの照射 領域 (スポッ ト領域) に近いと ころを通過する。 このと き、 状態
[0151] 1 の ビ ッ トは、 記録磁界 H b 印加手段に近づく のでその影響を受 ける。 この場合、 第 1 層の H b と反対向きのビッ 卜が H b によつ て磁化が反転させられたとすると、 1 回転前に記録されたばかり の情報が消失する こ とになる。 そうなつてはならない条件は、
[0152] σ «
[0153] 次条件式 15の 2 : H ci > H +
[0154] 2 M s . t 1
[0155] で示され、 ディ スク状媒体は、 室温でこの条件式を満足させる必 要がある。 逆に言えば、 H b を決定する 1 つの条件は、 条件式 15 の 2 で示される。
[0156] 次に、 状態 1 及び 1 b のビッ 卜はレーザー ビームのスポ ッ ト領 域に到達する。 レーザ一 ビームの強度は、 低レベルと高レベルの 2 種がある。
[0157] 低レベルのレーザー ビームが照射されて、 媒体温度が T c。„P. ! 以上に上昇する。 そうすると、 Pタイ プから Aタイプに移行する。 そ して、 第 1 層の R E 、 T M各ス ピ ンの方向は変わらないが、 強 度の大小関係が逆転する。 その結果、 第 1 6 図の状態 2 La及び 2 L bに示すよう に第 1 層の磁化が反転する。
[0158] レーザ—ビームの照射が続いて、 媒体温度は、 やがて T L にな る。 する 、
[0159] ひ W
[0160] H ci + H b <
[0161] 2 M s i t i の関係となり、 H b 了が存在しても、 状態 2 L,は第 1 6 図の状態 3 L に遷移する。 他方、 状態 2 Lbは、 H b †が存在しても、 その ままの状態を保っため、 同じ状態 3 L になる。
[0162] この状態でレーザ一 ビームのスポッ ト領域から外れる と媒体温 度は低下を始める。 媒体温度が T C。„P. ,以下に冷えると、 Aタイ プから元の Pタイプに戻る。 そ して、 第 1層の R Eスピンと TM ス ピンとの大小関係が逆転する ( 个 ί→† :) 。
[0163] その結果、 第 1層の磁化は第 1 6図の状態 4 L で示すよう に 「 A向き」 となる。
[0164] この状態 4 L は媒体温度が室温まで下がっても保持される。 そ の結果、 第 1 層に Γ A向き」 ΐの ビッ 卜が形成される。
[0165] 次に、 高温サイ クルを第 1 7図に基づいて説明する。
[0166] 高レベルのレーザービームが照射されると、 媒体温度は、 T cmP. ,を経て低温 T L に上昇する。 その結果、 状態 3 L と同じ状態 2 H になる。
[0167] 高レベルの レーザ一ビームの照射により、 媒体温度は更に上昇 する。 媒体温度が第 2層の T cmP.2を越えると、 Aタイプが P夕 イ ブに移行する。 そ して、 第 2層の R E、 TM各ス ピンの方向は 変わらないが、 強度の大小関係が逆転する ( →个丄) 。 そのため、 第 2層の磁化が反転し、 「逆 A向き」 の磁化になる (状態 3 H
[0168] ) o
[0169] しかし、 この温度では H C2がまだ大きいので、 † H b によって 第 2層の磁化が反転される こ とはない。 さ らに温度が上昇し、 T H になる と、 第 1層、 第 2層は、 その温度がキュ リ ー点に近いの で保磁力が小さ く なる。 その結果、 媒体は、 下記(1)〜 )のいずれ か 1 つの条件式 :
[0170] (1) σ w o w
[0171] |H C1 - Η | < +
[0172] 2 M S 1 t 1 2 M S 2 t 2
[0173] M S I t 1 H C I + M S 2 t 2 H C 2
[0174] 力、つ H b >
[0175] M S 1 t 1 + M S 2 t 2 (2) ひ w
[0176] H > H ci +
[0177] 2 M s i t 1
[0178] O w
[0179] 力、つ H b > H c:
[0180] 2 M s 2 t 2
[0181] (3) ひ w
[0182] H b > H ci -
[0183] 2 M si t 1
[0184] a w
[0185] 力、つ H > H c 2 +
[0186] 2 M S 2 t 2
[0187] を満足する。 そのため、 両層の磁化は、 ほぼ同時に反転し、 H b の向きに従う。 こ の状態が状態
[0188] 4 „ である。
[0189] この状態でレーザー ビームのスポ ッ 卜領域から外れると、 媒体 温度は低下を始める。 媒体温度が T c。mP.2以下になる と、 Pタイ プから Aタイ プに移行する。 そ して、 R E、 TMの各ス ピ ンの方 向は変わらないが、 強度の大小関係が逆転する 。 その 結果、 第 2層の磁化は反転し、 から 「逆 A向き」 ΰになる (状 態 5 Η ) 。 媒体の温度がこ の状態 7 Η のと きの温度から更に低下して、 Τ c。mP. ,以下になる と、 Aタイプから元の Pタイプに戻る。 そ して、 第 1 層の R Eス ピンと TMス ピンの強度の大小関係の逆転が起こ る ( T— ) 。 その結果、 第 1 層の磁化は反転し、 「逆 A向 き J ^ となる (状態 6 H ) 。
[0190] そ して、 やがて媒体の温度は状態 6 H のときの温度から室温ま で低下する。 室温での H c lは十分に大きい (条件式 15の 3参照) ので第 1 層の磁化 ^は、 † H b によって反転される こ とな く 、 状 態 6 H が保持される。 σ
[0191] 条件式 15の 3 : H b < H ci +
[0192] 2 M s! t i
[0193] こ う して、 第 1層に 「逆 A向き」 のビッ 卜が形成される。 次に第 1表に示したクラス 2の記録媒体 ( Pタイプ · I象限 - タイプ 2 ) に属する特定の媒体 Να 2を例にと り、 オーバ一ライ ト の原理について詳細に説明する。
[0194] この媒体 Να 2 は、 次条件式 16 :
[0195] T R く T C 1 J¾T L ί¾ T c om p. 2 < T ε 2 ί¾ T H
[0196] の関係を有する。 この関係を第 1 8 ®しこ j、す- 室温 T R で第 1層の磁化が初期捕助磁界 Hini. により反転せず に第 2層の磁化のみが反転する条件は、 条件式 I7である。 この媒 体 No.2 は条件式 1フを満足する。 条件式 I7
[0197] σ « σ w
[0198] H > H C 2 + +
[0199] 2 M S I t 1 2 M S 2 t 2
[0200] このと き、 Hini. の条件式は、 条件式 20で示される。 Hini. が 無く なると、 反転した第 2層の磁化は交換結合力により第 1層の 磁化の影響を受ける。 それでも第 2層の磁化が再度反転せずに保 持される条件は、 条件式 18~ 19で示される。 この媒体 No.2 は条件 式 18〜19を潢足する。
[0201] び
[0202] 条件式 18: H ci >
[0203] 2 M
[0204] び
[0205] 条件式 19: H C 2 >
[0206] 2 M S 2
[0207] σ σ
[0208] 条件式 20: Η C 2 + < Hini. < H C 1
[0209] 2 M S 2 t 2 2 M S I t 1 室温で条件式 17〜 19の条件を満足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに条件式 20の条件を満足する Hini. により例 えば 「A向き」 ( ) に揃えられる。 このと き、 第 1 層は第 1 9 図に示すよう に、 記録状態のままで残る。
[0210] この状態 1 は記録直前まで保持される。 こ こでは記録磁界 (H b ) は†の向きに印加される。
[0211] 以下、 第 1 9 図に基づいて低温サイ クルの説明をする。
[0212] 低レベルのレーザ一 ビームを照射して媒体温度を T L に上昇さ せる。 そ うすると、 T L は第 1 層のキュ リ ー点 T c ,にほぼ等しい ので、 その磁化は消失いて状態 2 L となる。
[0213] この状態 2 L に於いてレーザ一 ビームのスポッ ト領域から外れ ると、 媒体温度は低下を始める。 媒体温度が T C 1よ り少し下がる と、 第 2層の R E , T Mス ピン( )の影響が交換結合力によ り 第 1 層の各ス ピ ンに及ぶ。 つま り、 R E ス ピン同士 ( ΐ ) 、 T M ス ピン同士 ( ) を揃える力が働く 。 その結果、 第 1 層には、 即ち の磁化が出現して状態 3 L となる。
[0214] この状態 3 !_ は媒体温度が更に低下しても変化がない。 その結 果、 第 1 層には、 「 A向き」 ^
[0215] の ビッ トが形成される。
[0216] 次に、 第 2 0 図に基づいて高温サイ クルの説明をする。
[0217] 高レベルのレーザー ビームを照射して媒体温度をまず T L に上 昇させると、 T L は第 1 層のキュ リ ー点 T C iにほぼ等しいので、 その磁化は消失して状態 2 H となる。
[0218] さ らに照射を続けると、 媒体の温度は更に上昇する。 媒体の温 度が第 2層の T c。m P. 2よ り少し高い温度になったと き、 R E、 T Mの各ス ピンの方向は変わらないが、 強度の大小関係が逆転する ( 个 ) 。 そのため、 合金全体の磁化が反転し、 「逆 A向き」 Aの磁化になって状態 3 H となる。 し力、し、 この温度では H c 2 がまだ大きいので、 T H b によって第 2層の磁化が反転される こ とはない。 さ らに温度が上昇し、 T H になると、 第 2層の温度は ほぼキュ リ ー点 T C 2となり、 その磁化は消失して状態 4 H となる。
[0219] この状態 4 H においてレーザービームのスポッ ト領域から外れ ると、 媒体の温度は低下を始める。 媒体の温度が T C2より少し下 がる と、 第 2層に磁化が生じる。 この場合、 † H b によって ( Τ) の磁化が生じる。 しかし、 温度はまだ Τ "より高いので第 1 層には磁化は現れない。 この状態が状態 5 Η である。
[0220] そ して、 媒体の温度が更に下がり、 T cmP.2以下になると、 R
[0221] E、 T Mの各ス ピ ンの方向は変わらないが、 強度の大小関係が逆 転する — ) 。
[0222] その結果、 合金全体の磁化は反転して から 「逆 A向き」 ^に なって状態 6 H となる。
[0223] この状態 6 H では媒体の温度は T C1より高いので第 1 層の磁化 はまだ消失したままである。 また、 その温度での H C2は大きいの で第 2層の磁化が
[0224] T H b で反転する ことはない。
[0225] そ して、 更に温度が低下して T c ,よ り少し下がると、 第 1 層に 磁化が出現する。 そのと き第 2層からの交換結合力が R Eス ピン 同士 ( ) 、 T Mス ピン同士 († ) を揃えるように働く 。 そのた め第 1 層には つま り ^の磁化が出現する。 この状態が状態 7 H である。
[0226] そ して、 やがて媒体の温度は状態 7 H のときの温度から室温ま で低下する。 室温での H ciは十分に大きいので第 1層の磁化は T H b によって反転される ことな く 、 状態 7 H が保持される。 こ う して、 「逆 Α向き J のビッ ト形成が完了する。
[0227] 次に第 1 表に示したクラス 3 の記録媒体 ( Pタイプ · I象限 《 タイプ 3 ) に属する特定の媒体 NOL 3 を例にと り、 オーバ一ライ ト の原理について詳細に説明する。
[0228] この媒体 Να 3 は、 次条件式 21 :
[0229] T R < T c o o, P. ! < T C1«i T L < T c 2 « T H
[0230] の関係を有する。 こ の関係を第 2 1 図に示す。 室温 TR で第 1 層の磁化が初期補助磁界 Hini . によ り反転せず に第 2層のみが反転する条件は、 条件式 22である。 こ の媒体 Να 3 は条件式 22を満足する。
[0231] 条件式 22:
[0232] σ σ
[0233] h C 1 H C 2 + +
[0234] 2 M S 1 t 1 2 M S 2 t 2
[0235] このと き、 Hini. の条件式は、 条件式 25で示される。 Hini. が 無く なると、 反転した第 2層の磁化は交換結合力によ り第 1 層の 磁化の影響を受ける。 それでも第 2層の磁化が再度反転せずに保 持される条件は、 条件式 23~ 24で示される。 この媒体 No.3 は条件 式 2324を満足する。
[0236] σ
[0237] 条件式 23 Η >
[0238] 2 M s 1 t 1 ひ w
[0239] 条件式 24 Η >
[0240] 2 M a ひ
[0241] 条件式 25: H C 2 + < I Hini. I < H c i -
[0242] 2 M S 2 t 2 2 M S 1 t 1 室温で条件式 22~ 24の条件を満足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに条件式 25の条件を満足する Hini . により例 えば 「 A向き」 IT に揃えられる。 このと き、 第 1 層は記録 状態のままで第 2 2 図の状態 1 で示される。 この状態 1 は記録直前まで保持される。 こ こでは、 記録磁界 ( H b ) は丄の向きに印加される。 以下、 第 2 2 図に基づいて低 温サイ クルを示す。
[0243] 低レベルのレーザ一ビームを照射して媒体温度を Τ ι_ に上昇さ せる。 そうする と、 T L は第 1 層のキュ リ ー点 T c iにほぼ等しい ので、 その磁化は消失する。 しかし、 この温度ではまだ第 2層の H c 2は大きいので、 その磁化は丄 H b によって反転されることは な く 状態 2 L となる。
[0244] この状態 2 L においてレーザ一ビームのスポッ ト領域から外れ る と、 媒体温度は低下を始める。 媒体温度が T C ,より少し下がる と、 第 2層の R E , T Mス ピン( )の影響が交換結合力により 第 1 層の各ス ピンに及ぶ。 つま り R Eス ピン同士
[0245] ( T ) 、 T Mス ピン同士 ( ) を揃える力が働く 。 その結果、 第 1 層には、 个 即ち ΰ·の磁化が出現する。 この場合、 温度は T e。m P . ,以上なので T Mスピンの方が大き く なって状態 3 L となる。 媒体温度が更に T c。m P. ,以下に冷えると高温サイ クルと同様に 第 1 層の R E ス ピ ン と T Mス ピ ン と の大小関係が逆転する ( 个 → ) 。 その結果、 第 1 層の磁化は丄 H b に打ち勝って とな り、 状態 4 !_ となる。
[0246] この状態 4 L は媒体温度が室温まで下がっても保持される。 そ の結果、 「A向き」 ΐの ビッ ト形成が完了する。
[0247] 次に、 第 2 3 図に基づいて高温サイ クルを説明する。
[0248] 高レベルの レーザービームを照射して媒体温度をまず Τ ι_ に上 昇させると、 T !_ は第 1 層のキュ リ ー点 T c iにほぼ等しいので、 その磁化は消失されて状態 2 H となる。
[0249] さ らにビームの照射が続き、 媒体の温度が T H となると、 T H は第 2層の T c 2にほぼ等しいので、 その磁化も消失されて状態 3 H となる。
[0250] この状態 3 H においてレーザ一ビームのスポッ ト領域から外れ ると、 媒体温度は低下を始める。 媒体の温度が T C 2よ り少し下が る と、 第 2層に磁化が生じる。 この場合、 丄 H b によって ^ ( †) の磁化が生じる。 しかし、 温度はまだ T c iよ り高いので第 1 層には磁化は現れない。 この状態が状態 4 H である。
[0251] 更に、 媒体温度が低下して T C 1よ り少し下がる と、 第 1 層にも 磁化が出現する。 この場合、 第 2層の磁化が交換結合力によ り第 1 層に及ぶ。 その結果 R Eス ピン同士 ( 丄 ) 、 T Mス ピン同士 († ) を揃える力が働く 。 この場合、 媒体温度はまだ T cmP. 1以 上にあるので、 T Mス ピンの方が R Eス ピンよ り大き く なる ( 丁) その結果、 第 2層には の磁化が出現して状態 5 H となる。
[0252] この状態 5 H の温度から、 媒体温度が更に低下して T cmp. ,以 下になる と、 第 1 層の T Mス ピンと R E ス ピ ンの強度の大小関係 が逆転する ( T→ ) 。 そのため、 第 1 層の磁化が反転し、 「逆 A向き」 Aの磁化になって状態 6 H となる。
[0253] そ して、 やがて媒体の温度は状態 6 H のと きの温度から室温ま で低下する。 室温での H c lは十分に大きいので第 1 層の磁化は、 安定に保持される。
[0254] こ う して、 Γ逆 A向き J のビッ ト形成が完了する。
[0255] 次に第 1 表に示したク ラス 4 の記録媒体 ( Pタイプ · I 象限 · タイ プ 4 ) に属する媒体 Να 4 を例にと り、 ォ一バーライ ト原理に ついて詳細に説明する。
[0256] この媒体 No. 4 は、 次条件式 26 :
[0257] T R < T L < T H ^ T C I ^ T c 2
[0258] の関係を有する。 説明を簡単にする目的から、 以下の説明では、 T H < T C L < T C 2とする。 この関係を第 2 4 図に示す。
[0259] 室温 T B で第 1 層の磁化が初期捕助磁界 Hini. によ り反転せず に第 2層のみが反転する条件は、 条件式 2フである。 この媒体 No. 4 は条件式27を満足する。
[0260] 条件式 27:
[0261] σ w σ ,
[0262] H C 1 H C 2 + +
[0263] 2 M s I t 1 2 M S 2 t 2 このと き、 Hini. の条件式は、 条件式 30で示される。 Hini . が無く なると、 第 1 層、 第 2層の磁化は界面磁壁エネル ギ一によ り互いに影響を受ける。 それでも第 1 層、 第 2層の磁化 が反転せずに保持される条件は、 条件式 28~ 29で示される。 この 媒体 Να 4 は条件式 28〜 29を満足する。 σ w
[0264] 条件式 28: H ci >
[0265] 2 M si t 1 σ w
[0266] 条件式 29: H C 2 >
[0267] 2 M S 2 t 2
[0268] 室温で条件式2729の条件を満足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに条件式 30 : σ w σ w
[0269] H C 2 + < I Hini. I < H ci
[0270] 2 M s 2 t 2 2 M s i t i
[0271] の条件を満足する Hini. により例えば 「A向き」 (†- ) に揃え られる。 このとき、 第 1 層は第 2 5 図の状態 l a 又は 1 b で示さ れる記録状態のままである。 この状態 l a 、 l b は記録直前まで 保持される。 そ して、 記録磁界 H b は 「逆 A向き J 丄 に印加す る とする。
[0272] なお、 媒体がディ スク状の場合、 記録されたビッ ト (特に第 1 層が H b と反対向きの状態 1 b のビッ ト ) が H b 印加手段に近づ いたと き H b によつて反転してはならない条件は次条件式 30の 2 σ w
[0273] H b < H d +
[0274] 2 M si t i で示され、 ディ スク媒体は、 室温でこの条件式を満足させる必要 がある。 また、 初期化された第 2層が H b 印加手段に近づいたと き H b によ って反転してしまわない条件は、 次条件式 30の 3 : w
[0275] H b < H C 2 -
[0276] 2 M S 2 t 2
[0277] で示される。 逆に言えば、 H b を決定する条件の 1 つが条件式 30 の 2及び条件式 30の 3 である。 さて、 状態 1 a 、 1 b の ビッ ト は、 いよいよ レーザー ビームの スポッ ト領域に到達する。
[0278] 第 2 5 図に基づいて低温サイ クルを示す。 低レベルのレーザー ビームが照射されて、 媒体温度は T L に上 昇する。 そうする と、
[0279] O w
[0280] H c i + H <
[0281] 2 M S 1 t ! の関係が成立する状態となり、 状態 1 a が状態 2 L に遷移する。 他方、 状態 1 b はそのま まの状態を保っため同じ状態 2 L になる。
[0282] この状態 2 L において レーザー ビームのスポ ッ ト領域から外れ る と、 媒体温度は低下を始める。 こ の状態 2 L は、 媒体温度が 室温まで下がっても、 室温での H c ,が十分に大きい (条件式 30の 4 参照) ので維持される。
[0283] σ w
[0284] 条件式 30の 4 : H < H c i +
[0285] 2 M s 1 t , その結果、 第 1 層に 「 A向き」 のビッ 卜が形成される。 次に、 第 2 6 図に基づいて高温サイ クルを説明する。
[0286] 高レベルのレーザー ビームが照射されると、 媒体温度は、 低温 T L に上昇する。 その結果、 状態低温サイ クルの状態 2 L と同じ 状態 2 H となる。 ビームの照射が続いて、 媒体温度が更に上昇し T H になると、
[0287] T H は第 1層、 第 2層のキュ リ ー点に近く なるので保磁力が小さ く なる。 その結果、 媒体は下記(1)〜 )のいずれか 1つの関係式 :
[0288] (1) σ w び W
[0289] H c 1一 Η c ζ < +
[0290] 2 M S 1 t 1 2 M S 2 t 2
[0291] かつ H b >
[0292] M s 1 t 1 + M S 2 t 2
[0293] (2) a w
[0294] H b > H ci +
[0295] 2 M: 3 1 t 1
[0296] ひ , 1
[0297] かつ H b 〉 H c 2
[0298] 2 M . 32 t 2
[0299] (3) σ ϊ Ί
[0300] H b > H ci -
[0301] 2 M < Ϊ 1 t I σ M
[0302] カヽつ H b 〉 H c 2 +
[0303] 2 M S 2 t 2
[0304] を満足する。 そのため、 両層の磁化は、 ほぼ同時に反転し、 H b の向きに従う。 この状態が状態 3 H である。
[0305] この状態 3 H においてレーザ一ビームのスポッ ト領域から外れ ると、 媒体の温度は低下を始める。
[0306] やがて媒体温度は室温まで低下する。 しかし、 状態 3 H はそのま まである。
[0307] こ う して、 第 1層に 「逆 Α向き」 ^のビッ トが形成される。 次に第 1表に示したク ラス 5の記録媒体 (Aタイプ · II象限 · タイプ 3 ) に属する媒体 No. 5 を例にと り、 オーバ ーライ ト原理に ついて詳細に説明する。
[0308] この媒体 NCL 5 は次条件式 31 :
[0309] T R < T cmP.1 < T L < T H Tcl T c2 の関係を有する。 説明を簡単にする目的から、 以下の説明では、 T H < T cl< T c2とする。 この関係を第 2 7図に示す。
[0310] 室温 T R で第 1層の磁化が初期捕助磁界 Hini. により反転せず に第 2層のみが反転する条件式は32である。 この媒体 Να 5 は条件 式 32を満足する。
[0311] 条件式 32: σ び
[0312] H C 1 H C 2 +
[0313] 2 M S 1 t 1 2 M S 2 t 2
[0314] この と き、 Hini. の条件式は、 条件式 35で示される。 Hini. が 無く なると、 第 1層、 第 2層の磁化は界面磁壁エネルギーによ り 互いに影響を受ける。 それでも第 1層、 第 2層の磁化が反転せず に保持される条件は、 条件式 33〜 34で示される。 この媒体 Να 5 は 条件式 33~ 34を満足する。 σ w
[0315] 条件式 33 Η C 1 >
[0316] 2 M S! t 1 σ
[0317] 条件式 34·· H C 2 >
[0318] 2 M S 2 t 2
[0319] 室温で条件式 32〜34の条件を満足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに条件式 35: σ w σ w
[0320] H c 2 + < I Hini. I < H ci +
[0321] 2 M S 2 t 2 2 M S 1 t 1
[0322] の条件を满足する Hini. によ り例えば 「A向き」 ΐ ( Τ) に揃え られる。 このと き、 第 1 層は第 2 8図の状態 1 , 又は l b で示さ れる記録状態のままであり、 この状態 l a 、 l b は記録直前まで 保持される。
[0323] そ して、 記録磁界 H b は、 「逆 A向き」 丄 に印加するとする。 なお、 媒体がディ スク状の場合、 前に記録されたビッ ト (特に 第 1 層が H b と反対向きの状態
[0324] 1 a のビッ ト ) が H b 印加手段に近づいたとき
[0325] H b によって反転してはならない条件は次条件式 35の 2 ひ w
[0326] H b < H c l
[0327] 2 M s t I で示され、 ディ スク媒体は、 室温でこの条件式を満足させる必要 がある。 また、 初期化された第 2層が H b 印加手段に近づいたと き H b によって反転されてしまわない条件は、 次条件式 35の 3 : ひ w
[0328] H b < H
[0329] 2 M t
[0330] で示される。 逆に言えば、 H b を決定する条件の 1 つが条件式 35 の 2及び条件式 35の 3である。 次に、 第 2 8 図に基づいて低温サイ クルの説明をする。
[0331] 低レベルの レーザー ビームが照射されて、 媒体温度は T <:。m P. 以上に上昇する。 すると、 Aタイプから Pタイプに変化する。 そ して、 第 1 層の R E 、 T M各ス ピンの方向は変わらないが、 強度 の大小関係が逆転する。 そのため、 第 1 層の磁化が反転して状態
[0332] 1 a は状態 2 L ,に、 状態 1 b は状態 2 L bになる。 この状態から、 更に媒体温度が上がり T !_ になると、 下記条件 式が満足される。
[0333] a w
[0334] H c ! + H <
[0335] 2 M s i t i そうする と、 状態 2 が状態 3 に遷移する。 他方、 状態 2 いは そのままの状態を保っため同 じ状態 3 L になる。 この状態でレーザ一 ビームのスポッ ト領域から外れると、 媒体 温度は低下を始める。 媒体温度が更に T c ^ p . i以下に冷えると P タイプから元の Aタイ プにもどる。 そ して、 第 1層の R E ス ピン と T Mス ピンと の大小関係が逆転する ( ΐ 。 その結果、 第
[0336] 1 層の磁化は、 逆転し、 「逆 A向き」 ^ となる。 これが状態 4 L である。
[0337] やがて、 媒体温度は室温まで低下するが、 状態 4 L が維持され る。
[0338] その結果、 第 1 層に 「逆 A向き」 ^の ビッ 卜が形成される。 次に、 第 2 9 図に基づいて高温サイ クルを説明する。
[0339] 高レベルの レーザー ビームが照射される と、 媒体温度は、 T 。 mP. ,を経て低温 T , に上昇する。 その結果、 状態 3 L と同じ状態 2 H と なる。
[0340] ビームの照射が続き、 やがて媒体温度は T H に上昇する。 T H は、 第 1 層、 第 2層のキュ リ ー点に近いので、 両層の保磁力は小 さ く なる。 その桔果、 媒体は、 下記(1) ~ (3)のいずれか 1 つの関係 式 :
[0341] (1) ひ W O w
[0342] ri c ] n < +
[0343] 2 M s 1 t 1 2 M s 2 t
[0344] M S! t 1 H C I + M S 2 t 2 H
[0345] 力、つ H b >
[0346] M + M S 2 t
[0347] (2) ひ W
[0348] H > H ci +
[0349] 2 M s I t 1
[0350] O w
[0351] かつ H b > H c 2 -
[0352] 2 M s2 t 2 (3) O w
[0353] H b > H ci -
[0354] 2 M s i t 1
[0355] O
[0356] かつ H b > H c 2 +
[0357] 2 M S 2 t 2 を満足する。 そのため、 両層の磁化は、 ほぼ同時に反転し、 H b の向きに従う。 これが状態 3 H である。
[0358] この状態 3 Η において レーザ一 ビームのスポ ッ ト領域から外れ る と、 媒体温度は低下を始める。 媒体温度が低下して Τ 1以 下になる と、 Ρ タイプから元の Αタイプに戻る。 そ して、 第 1 層 の T Mス ピ ン と R Eス ピンとの強度の大小関係が逆転する (个— T^) 。 そのため、 第 1 層の磁化が反転し、 「 Α向き」 の磁化に なる (状態 4 H ) 。 そ して、 やがて媒体の温度は状態 4 H のと き の温度から室温まで低下する。 室温での H C 1は十分に大き く 、 次 条件式 35の 4 :
[0359] σ w
[0360] H b < H ci +
[0361] 2 M s i t i
[0362] が満足されるので、 第 1 層の磁化は状態 4 H のまま安定に維持さ れる。
[0363] こ う して、 第 1 層に 「 Α向き」 のビッ 卜が形成される。
[0364] 次に第 1 表に示したク ラス 6 の記録媒体 (Aタイプ · 1象限 - タイプ 4 ) に属する特定の媒体 No.6 を例にと り、 オー バ ーライ ト の原理について詳細に説明する。
[0365] この媒体 No.6 は、 次条件式 36 :
[0366] T R < T C I ¾i T L < T c 2 i¾ T Η
[0367] の関係を有する。 この関係を第 3 0 図に示す。
[0368] 室温 T R で第 1 層の磁化が初期捕助磁界 Hini. により反転せず に第 2層のみが反転する条件は、 条件式 3フである。 この媒体 No.6 は条件式 3フを潢足する。
[0369] 条件式 37:
[0370] σ w び w
[0371] H c 1 n c 2 +
[0372] 2 M s i t i 2 M このと き、 Hini. の条件式は、 条件式 40で示される。 Hini. が 無く なる と、 反耘した第 2層の磁化は交換結合力により第 1層の 磁化の影響を受ける。 それでも第 2層の磁化が再度反転せずに保 持される条件は、 条件式 3S~ 39で示される。 この媒体 Να 6 は条件 式 38~ 39を満足する。
[0373] σ w
[0374] 条件式 38 Η >
[0375] 2 M s I t 1
[0376] σ w
[0377] 条件式 39: Η C 2 >
[0378] 2 M S 2 t 2
[0379] 条件式 40: σ w σ w
[0380] H c 2 + < i Hini. I < H c i +
[0381] 2 M S 2 t 2 2 M S 1 t l
[0382] 室温で条件式 3フ〜 39の条件を満足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに条件式 40の条件を満足する Hini. によ り例 えば 「A向-き」 (^†) に揃えられる。 このと き、 第 1 層は第 3 1 図の状態 1 で示すよ うな記録状態のままで残る。 この状態 1 は 記録直前まで保持される。 こ こでは記録磁界 ( H b ) は丄 の向き に印加される。
[0383] 第 3 1 図に基づいて低温サイ クルを説明する。
[0384] 低レベルのレーザ一ビームを照射して媒体温度を T L に上昇さ せる。 そ うする と、 T L は第 1層のキュ リ ー点 T c!にほぼ等しい ので、 その磁化は消失する。 この状態では、 H C2はまだ十分に大 きいので、 第 2層の磁化 は丄 H b で反転することはない。 この 状態が状態 2 L である。
[0385] この状態 2 L においてレーザ一 ビームのスポッ ト領域から外れ ると、 媒体温度は低下を始める。 媒体温度が T clよ り少し下がる と、 第 2層の R E , TMス ピン ( † )の影響が交換結合力によ り 第 1層の各ス ピ ンに及ぶ。 交換結合力は R Eス ピン同士 ( .1. ) 、 T Mス ピ ン同士 († ) を揃えるよう に働く 。 その結果、 層 1 には、 即ち ^の磁化が出現する。 この状態が状態 3 !_ である。
[0386] この状態 3 !_ は媒体温度が室温まで下がっても保持される。 そ の結果、 「逆 A向き」 ^の ビッ ト形成が完了する。
[0387] 次に、 第 3 2 図に基づいて高温サイ クルを説明する。
[0388] 高レベルの レーザ一ビームを照射して媒体温度をまず T l_ に上 昇させる と、 T L は第 1 層のキュ リ ー点 T C iにほぼ等しいので、 その磁化は消失された状態 2 H となる。
[0389] ビームの照射が続いて、 媒体温度が更に上昇し T H になると、 第 2層の温度 T H は T C2にほぼ等しいので、 その磁化も消失する。 これが状態 3 H である。
[0390] この状態 3 H において レーザ一ビームのスポ ッ ト領域から外れ ると、 媒体の温度は低下し始める。 媒体の温度が TC2より少し下 がる と、 第 2層の磁化が出現する。 この場合、 丄 H b のために ^ (个 ) の磁化が出現する。 しかし、 温度は T c!より高いので第 1 層には磁化が現れない。 この状態が状態 4 H である。
[0391] そ して、 媒体温度が更に下がり、 T c ,より少し下がると、 第 1 層に磁化が出現する。 そのとき第 2層からの交換結合力が R Eス ピ ン同士 ( ΐ ) 、 T Mス ピ ン同士 ( ) を揃えるよ う に働く 。 そ のため第 1 層には†ふつま り の磁化が丄 H b に打ち勝って出現す る。 このが状態 5 H である。
[0392] そ して、 やがて媒体の温度は状態 5 H のときの温度から室温ま で低下する。 室温での H C1は十分に大きいので第 1層の磁化は安 定に保持される。 こ う して、 「A向き」 のビッ ト形成が完了す る c
[0393] 次に第 1 表に示したクラス 7 の記録媒体 ( Pタイプ * Π [象限 - タイプ 4 ) に属する媒体 Να 7 を例にと り、 オーバ一ライ ト原理に ついて詳細に説明する。
[0394] この媒体 Να 7 は、 次条件式 41 :
[0395] T R < T L < T H ^ T C1 T c 2
[0396] の関係を有する。 説明を簡単にする 目的から、 以下の説明ではく T H < T cl< T c2とする。 この関係を第 3 3図に示す。
[0397] 室温 T R で第 1層の磁化が初期捕助磁界 Hini. により反転せず に第 2層のみが反転する条件は、 条件式 42である。 この媒体 Να 7 は条件式 42を満足する。
[0398] 条件式 42:
[0399] σ σ w
[0400] H > H C 2 + +
[0401] 2 M S 1 t 1 2 M S 2 t 2
[0402] このと き、 Hini. の条件式は 45で示される。 Hini. が無く なる と、 第 1 層、 第 2層の磁化は界面磁壁エネルギーにより互いに影 響を受ける。 それでも第 1 層、 第 2層の各磁化が反転せずに保持 される条件は、 条件式 ~ 44で示される。 この媒体 No.7 は条件式 〜 44を満足する。
[0403] σ
[0404] 条件式 43: H ci >
[0405] 2 Μ
[0406] σ
[0407] 条件式 44: Η C 2 >
[0408] 2 M S 2 t 2
[0409] 室温で条件式 42〜 44の条件を潢足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに条件式45 :
[0410] a び
[0411] h C 2 + < Hini, < H ci -
[0412] 2 M S 2 t 2 2 M S 1 t 1
[0413] の条件を満足する Hini . により例えば Γ A向き」 (ψΐ) に揃え られる。 このと き、 第 1層は第 3 4図の状態 1 , 又は l b で示さ れる状態のままである。 そ して、 記録磁界 H b は、 「逆 A向き」 丄 に印加するとする。 なお、 媒体がディ スク状の場合、 記録されたビッ ト (特に第 1 層が H b と反対向きの磁化を有する状態 1 b のビッ ト) が、 H b 印加手段に近づいたとき、 H b によって反転してはならない条件 は、 次条件式 45の 2 :
[0414] σ w
[0415] H < H c i +
[0416] 2 M s i t i で示され、 ディ スク媒体は、 室温でこの条件式を満足させる必要 がある。 また、 初期化された第 2層が H b 印加手段に近づいたと き H b によ って反転されてしまわない条件は、 次条件式 4 5の 3 : σ w
[0417] H b < H C 2
[0418] 2 M S 2 t 2
[0419] で示される。 逆に言えば、 H b を決定する 1 つの条件は、 条件式 45の 2及び条件式 45の 3 で示される。 第 3 4 図に基づいて低温サイ クルを説明する。
[0420] 低レベルの レーザー ビームが照射されて、 媒体温度が T !_ に上 昇する。 そうすると、 下記条件 :
[0421] ひ W
[0422] H c 1 + H <
[0423] 2 M s 1 t , が満足され、 状態 1 a が状態 2 L に遷移する。 他方、 状態 1 b は そのままの状態を保っため、 同じ状態 2 !_ になる。 この状態 2 L においてレーザー ビームのスポ ッ ト領域から外れ ると、 媒体温度は低下を始める。 室温では、 H C 1は十分に大きい (条件式 4 5の 2参照) ので、 状態 2 !_ は室温でも維持される。 その結果、 第 1 層に 「A向き」 のビッ 卜が形成される。
[0424] 次に第 3 5図に基づいて高温サイ クルを説明する。 高レベルの レーザービームが照射されて媒体温度は、 低温 T L に上昇する。 その結果、 状態 2 L と同じ状態 2 H になる。
[0425] ビームの照射が続いて、 媒体温度は更に上昇し T H になる。 す ると、 T H は第 1 層、 第 2層のキュ リ ー点に近く なるので、 その 結果、 媒体は、 下記(1) 〜 )のいずれか 1 つの関係式 :
[0426] (1) σ w ψ
[0427] Η Η C 2 < +
[0428] 2 M S I t ι 2 M s 2 t 2
[0429] S 1 t 1 h c i + M s 2 i 2 H C 2
[0430] 力、つ H >
[0431]
[0432] (2) び W
[0433] H b > H ci +
[0434] 2 M S 1 し 1
[0435] σ, w
[0436] かつ H b > H c 2 -
[0437] 2 M: 32 t 2
[0438] (3) σ, V
[0439] H > H c -
[0440] 2 M £ t 1
[0441] a f
[0442] かつ H b > H c 2 +
[0443] 2 M S 2 t 2
[0444] を満足する。 そのため、 両層の磁化は、 ほぼ同時 に反転し、 丄
[0445] H b の向きに従う。 これが状態 3 H である。
[0446] 状態 3 H においてレーザー ビームのスポ ッ 卜領域から外れると 媒体温度は低下し始める。
[0447] やがて媒体温度は室温に戻る。 しかし、 状態 4 H は変らない。 その結果、 第 1 層に 「逆 A向き」 ^の ビッ 卜が形成される。 次に第 1 表に示したク ラ ス 8 の記録媒体 (Aタイプ · IV象限 · タ イプ 2 ) に属する媒体 Να 8 を例にと り、 オーバ一ライ ト原理に ついて詳細に説明する。
[0448] この媒体 NCL 8 は、 次条件式 46 :
[0449] T R < T L く T H T C1 T c 2 の関係を有する。 説明を簡単にする目的から、 以下の説明では、
[0450] T H く TC1< T c2とする。 また、 T c。mP.2は、 TL 、 TC1より低 く ても等しく ても高く ても良いが、 説明を簡単にする目的から、 以下の説明では、 T L く TC1< T cmP.2とする。 この関係を第 3 6 図に示す。
[0451] 室温 T R で第 1 層の磁化が初期捕助磁界 Hini. により反転せず に第 2層のみが反転する条件は、 条件式 47である。 この媒体 Να 8 は室温で条件式 47を满足する。 条件式 47:
[0452] σ び
[0453] H C 1 H C 2 +
[0454] 2 M s i t 1 2 M
[0455] このとき、 Hini. の条件式 50で示される。 Hini. が無く なると 第 1 層、 第 2層の磁化は界面磁壁エネルギーにより互いに影響を 受ける。 それでも第 1 層、 第 2層の各磁化が反転せずに保持され る条件は、 条件式 48〜 49で示される。 この媒体 No.8 は条件式 48~ 49を潢足する。 び
[0456] 条件式 48: H >
[0457] 2 M σ «
[0458] 条件式 49: Η >
[0459] 2 M S 2 t 2
[0460] 室温で条件式 47~ 49の条件を潢足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに条件式 50 : σ σ
[0461] Η C 2 + < Hxnx. < H C l +
[0462] 2 M S 2 t 2 2 M S I t 1
[0463] の条件を満足する Hini. によ り例えば ΓΑ向き」 ( ·,) に揃え られる。 このと き、 第 1 層は第 3 7図の状態 1 , 又は l b で示す よう に記録状態のままである。
[0464] そ して、 記録磁界 H b は ΓΑ向き」 † に印加するとする。 なお、 媒体がディ スク状の場合、 1 回転前に記録されたばかり の ビッ ト (特に第 1 層が H b と反対向きの磁化を有する状態 1 b の ビッ 卜) が H b によって反転してはならない条件は、 次条件式 50の 2 : σ «
[0465] H < H c i +
[0466] 2 M s i t i
[0467] で示され、 ディ スク媒体は、 室温でこの条件式を潢足させる必要 がある。 逆に言えば、 H b の大き さを決定する 1 つの条件は、 条 件式 50の 2で示される。
[0468] 次に、 第 3 7 図に基づいて低温サイ クルを説明する。
[0469] 低レベルのレーザー ビームが照射されて、 媒体温度 T L に上昇 する。 そうする と、 下記条件式: o w
[0470] H c 1 + H <
[0471] 2 M s , t ι
[0472] が満足され、 状態 1 a が状態 2 !_ に遷移する。 他方、 状態 1 b は そのままの状態を保っため、 同じ状態 2 L になる。
[0473] この状態 2 L においてレーザ一 ビームのスポ ッ ト領域から外れ る と、 媒体温度は低下を始める。 状態 2 !_ は、 媒体温度が室温ま で下がっても H c tが十分に大きい (条件式 50の 2参照) ので、 維 持される。
[0474] その結果、 第 1 層に 「逆 A向き」 ^のビッ 卜が形成される。 次に、 高温サイ クルを第 3 8 図に基づいて説明する。
[0475] 高レベルの レーザービームが照射されて媒体温度は、 先ず低温
[0476] T L に上昇する。 その結果、 低温サイ クルの状態 2 L と同じ状態
[0477] 2 H となる。
[0478] 高レベルのレーザ一ビームの照射によ り、 媒体温度は更に上昇 する。 媒体温度が T C。„P. 2を超える と、 Aタイプから Pタイプに 移行する。 そ して第 2層の R Eス ピ ン († ) 及び TMス ピ ン ( X ) の向きは変わらずに、 強度の大小関係が逆転する ( τふ 一 个 ) 。 その結果、 第 2層の磁化は反転して 「逆 A向き」 ^となる この状態が状態 3 H である。
[0479] しかし、 この温度では H C2がまだ大きいので、 第 2層の磁化 ^ は T H b で反転される こ とはない。 更にビームの照射が続き、 やがて媒体温度は更に上昇して T H になる。 する と、 媒体温度は第 1 層、 第 2層のキュ リ ー点近く に なるので、 両層の保磁力は小さ く なる。 その結果、 媒体は、 下記 (1) ~ (3)の いずれか 1 つの関係式 :
[0480] (1) O w σ w
[0481] f C 1— H C 2 I < +
[0482] 2 M S I t 1 2 M S 2 t 2
[0483]
[0484] カヽつ H >
[0485] M S 1 t 1 + M S 2 t 2
[0486] (2) び W
[0487] H b > H d +
[0488] 2 M si t I
[0489] ひ w
[0490] かつ H b > H c 2
[0491] 2 M s 2 t 2
[0492] (3) σ w
[0493] H b > H ci -
[0494] 2 M si t 1
[0495] O
[0496] 力、つ H b > H c 2 +
[0497] 2 M S 2 t 2 を潢足する。 そのため、 両層の磁化はほぼ同時に反転し、 T H b の向きに従う。 これが状態 4 H である。 この状態 4 Η においてレーザ一ビームのスポッ ト領域から外れ る と、 媒体温度は低下を始める。 媒体温度が T cmP.2より下がる と、 Pタイプから元の Aタイプに戻る。 そ して、 第 2層の R Eス ピン (丄 ) 及び TMス ピン ( T ) の向きは変わらずに、 強度の大 小関係が逆転する ( -i :) 。 その結果、 第 2層の磁化は反 転して 「逆 A向き」 ^ となる。 この状態では、 H C2は既に相当大 き く なっているので第 2層の磁化 ^は T Hb により反転される こ とはない。 この状態が状態 5 H である。
[0498] やがて媒体の温度は状態 5 H のと きの温度から室温まで低下す る。 し力、し、 状態 5 Η は変わらない。
[0499] こ う して、 第 1 層に 「Α向き」 ΐのビッ 卜が形成される。
[0500] 次に第 1 表に示したク ラス 9の記録媒体 (Αタイ プ ' IV象限 · タイ プ 4 ) に属する特定の媒体 Να 9を例にと り、 オー バ ーライ ト の原理について詳細に説明する。
[0501] この媒体 No. 9 は、 次条件式 51 :
[0502] T R < T C 1 « T L < T c 2i¾ T H
[0503] の関係を有する。 この関係をグラフで示すと、 次の如く なる。 室温 T R で第 1 層の磁化が初期捕助磁界 Hini. によ り反転せず に第 2層のみが反転する条件式が 52である。 この媒体 No.9 は条件 式52を満足する。
[0504] 条件式 52: σ σ w
[0505] H c l z n c 2 +
[0506] 2 M S 1 t 1 2 M S 2 t 2
[0507] このとき、 Hini. の条件式は 55で示される。 Hini. が無く なる と、 反転した第 2層の磁化は交換結合力によ り第 1層の磁化の影 響を受ける。 それでも第 2層の磁化が再度反転せずに保持される 条件は、 条件式 53〜 54で示される。 この媒体 ffo.9 は条件式 53〜 54 を満足する。
[0508] σ
[0509] 条件式 53: H ci >
[0510] 2 Μ σ w
[0511] 条件式 54: H
[0512] 2 M S t σ w σ w 条件式 55: H + < I Hini. I < H ci +
[0513] 2 M t 2 M S t 室温で条件式 52~ 54の条件を満足する記録媒体の第 2層の磁化 は、 記録の直前までに条件式 55の条件を満足する Hini. により例 えば 「 A向き J ΐ (†ふ) に揃えられる。 このと き、 第 1 層は第 4 0 図の状態 1 である。
[0514] こ こでは記録磁界 (H b ) は丄の向きに印加される。
[0515] 第 4 0 図に基づいて低温サイ クルを説明する。
[0516] 低レベルの レーザ一ビームを照射して媒体温度を T L に上昇さ せる。 そうすると、 T は第 1 層のキュ リ ー点 T iにほぼ等しい ので、 その磁化は消失する。 この状態では、 H c 2はまだ十分に大 き いので、 第 2層の磁化 は丄 H b で反転することはない。 この 状態が状態 2 である。
[0517] この状態 2 し においてレーザービームのスポッ ト領域から外れ る と、 媒体温度は低下を始める。 媒体温度が T iより少し下がる と、 第 2層の R E , T Mス ピ ン ( )の影響が交換結合力により 第 1 層の各ス ピ ンに及ぶ。 交換結合力は R Eス ピン同士 ( T ) 、 T Mス ピン同士 ( ) を揃えるよ う に働く 。 その結果、 第 1 層に は、 个 即ち ^の磁化が出現する。 この状態が状態 3 L である。
[0518] この状態 3 ι_ は媒体温度が室温まで下がっても保持される。 そ の結果、 「逆 A向き」 ^のビッ ト形成が完了する。
[0519] 次に、 第 4 1 図に基づいて高温サイ クルを説明する。
[0520] 高レベルのレーザービームを照射して媒体温度をまず T L に上 昇させると、 T L は第 1 層のキュ リ ー点 T c!にほぼ等しいので、 その磁化は消失されて状態 2 H となる。
[0521] ビームの照射が続いて、 媒体温度が更に上昇し T H になると、 第 2層の温度 T H は T C 2にほぼ等しいので、 第 2層の磁化も消失 する。 これが状態 3 H である。
[0522] この状態 3 H においてレーザー ビームのスポ ッ 卜領域から外れ る と、 媒体の温度は低下し始める。 媒体の温度が T C 2より少し下 がると、 第 2層の磁化が出現する。 この場合、 丄 H b のために ( ) の磁化が出現する。 しかし、 この温度はまだ T C Iよ り高い ので第 1 層には磁化は現れない。 この状態が状態 4 H である。 そ して、 媒体温度が更に下がり、 T c ,よ り少し下がると、 第 1 層に磁化が出現する。 そのと き第 2層( )からの交換結合力が R E ス ピ ン同士
[0523] ( 丄 ) 、 T Mス ピン同士 ( ) を揃えるよ う に働く 。 そのため第 1 層には つま り の磁化が丄 H b に打ち勝って出現する。 この 状態が状態 5 H である。
[0524] そ して、 やがて媒体の温度は状態 5 H のと きの温度から室温ま で低下する。 室温での H C Iは十分に大きいので第 1 層の磁化は安 定に保持される。 こ う して、 Γ Α向き」 分の ビッ ト形成が完了す る。
[0525] 図面の簡単な説明
[0526] 第 1 図は光磁気記録媒体の ビッ ト形成を説明する図、 第 2図は光 磁気記録媒体の再生を説明する図、 第 3及び第 4 図は光磁気記録媒 体への情報記録時の レーザ一ビームの出力波形を示す図、 第 5 図は 光磁気記録媒体の構成を示す図、 第 6 図は本発明に係わる光磁気記 録媒体の第 1 の実施態様の保磁力と温度との関係を示した図、 第 7 図は第 6 図の光磁気記録媒体の概念図、 第 8 図は第 7図の光磁気記 録媒体に高レベルをレーザー ビームを照射して情報を記録する際の 媒体の変化を示した図、 第 9 図は第 7 図の光磁気記録媒体に低レべ ルをレーザービームを照射して情報を記録する際の媒体の変化を示 した図、 第 1 0 図は本発明に係わる光磁気記録媒体のオーバ一ライ トを説明する図、 第 1 1 図は本発明に係わる光磁気記録媒体の第 2 の実施態様に高レベルをレーザービームを照射して情報を記録する 際の媒体の変化を示した図、 第 1 2 図は本発明に係わる光磁気記録 媒体の第 2の実施態様に低レベルをレーザービームを照射して情報 を記録する際の媒体の変化を示した図、 第 1 3 , 第 1 4 A, 第 1 4 B , 第 1 4 C及び第 1 4 D図は本発明に係わる光磁気記録媒体の種 類を示す図、 第 1 5, 第 1 8 , 第 2 1 , 第 2 4 , 第 2 7 , 第 3 0 , 第 3 3, 第 3 6及び第 3 9 図は本発明に係わる光磁気記録媒体の保 磁力と温度との関係を示した図、 第 1 6 , 第 1 9 , 第 2 2 , 第 2 5 , 第 2 8, 第 3 1 , 第 3 4, 第 3 7及び第 4 0 図は本発明に係わる光 磁気記録媒体の低温サイ クルをを示した図、 第 1 7 , 第 2 0 , 第 2 3 , 第 2 6 , 第 2 9 , 第 3 2 , 第 3 5, 第 3 8及び第 4 1 図は本発 明に係わる光磁気記録媒体の高温サイ クルをを示した図、 第 4 2 A 及び第 4 2 B図は本発明の実施例を説明する図、 第 4 3 図は本発明 に係わる装置を示す図である。
[0527] 発明を実施する為の最良の形態
[0528] 以下、 実施例及び参考例により本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれに限定される ものではない。
[0529] 〔参考例 1 クラ ス 8 の媒体の製造〕
[0530] ( 1 ) まず、 厚さ 1.2mm 、 直径 130mmのディ スク状ガラス基板
[0531] ( S ) を用意し、 この上に厚さ約 100 ii m の溝材層 (U ) を形成 する。 溝材層 (U ) は、 紫外線硬化型樹脂で形成されており、 本 発明でいう分離ゾー ンを形成する溝が渦巻き状に形成されている。 溝は、 第 4 2 Β図に示すよう に、 深さが 700Αで、 溝の幅は 0.4 m である。
[0532] ( 2 ) 次に、 RFマグネ ト ロ ン · ス ノヽ。ッ タ リ ング装置を用い、 該装 置の真空チャ ンバ一内に前述の溝材層付きガラス基板 ( S ) を セッ 卜する。
[0533] 真空チ ヤ ンバー内を一旦 5 X 10-5 P a.で排気した後、 アルゴン ガスを導入し、 Arガス圧を 2 X 10 -1 P a.に保持しながら、 スパッ タ リ ングを行なう。
[0534] 第 4 2 A図に示すよう に、 最初にターゲッ ト と して SiNを用い、 溝材層上に膜厚 700 Aの SiN保護層を形成する。 続いて、 夕— ゲッ ト と して Tb2。 Fe7 β Co4 合金を用い、 SiN保護層上に、 膜厚 = 500 Aの Tb2。 Fe7 s Co4 の垂直磁化膜からなる第 1層 (記録層) を形成する。 尚、 合金組成における添字数字の単位は、 原子%で ある。 以下、 同様である。
[0535] 続いて、 真空状態を保持したまま ターゲッ ト と して
[0536] Tb, Dyx„ Fe4 s Co28 合金を用いて、 スパッ タ リ ングを行ない、 第 1 層の上に膜厚 t2 = 1500Aの Tb, Dy „ Fe4 s Co28 の垂直磁化膜からな る第 2層 (捕助層) を形成する。
[0537] 最後に、 第 2層の上に膜厚 700Aの SiN保護層を形成する。
[0538] こ う して製造したクラス 8 (Aタ イプ · 第 IV象限 ' タイ プ 2 ) に属する 2層光磁気記録媒体について、 磁気特性(25 °C ) を下記 第 2表に示す。
[0539] 〔参考例 2 〕
[0540] 第 4 3 図は、 基本発明のオーバーライ ト可能な光磁気記録装置 の構造を示す概念図である。
[0541] 2 0 はオーバ一ライ 卜可能な光磁気記録媒体 ; 2 1 は、 光磁気記 録媒体を回転する回転手段 ;
[0542] 2 2 は初期捕助磁界印加手段 (Hini . = 4000 0 e で 「逆 A向 き J " ;
[0543] 2 3 はレーザ一ビーム光源 ;
[0544] 2 4 は情報に従って、 レーザービームの強度を高レベルと低レべ ルとの間でパルス変調する変調手段 ;
[0545] 2 5 は記録磁界印加手段 ( H b = 300 O e で 「逆 A向き」 ) ; である。
[0546] 〔実施例 第 1 発明の実施例〕
[0547] 参考例 2 の装置で、 初期補助磁界印加手段を取り去り、 記録磁 界印加手段の代わりに前処理磁界印加手段と して 「A向き」 个 の 1000 O e 磁界を発生する棒状の永久磁石を取りつけた。 レーザ一 ビームが、 溝に位置する磁性層 (第 1 層、 第 2層の積 層物) に沿って照射するよ う に、 記録装置の トラ ッキング機構を 調整した。
[0548] その上で、 参考例 1 で製造した記録媒体 (Aタイプ · ディ ス ク) を参考例 2 の装置にセッ 卜 し し、 媒体を 1800 rpm で回転させ た。
[0549] このと き、 レーザ一 ビームの強度は、 磁性層表面で 10mWで一定 と し変調させなかった。
[0550] こ う して、 前処理を完了 し、 溝に位置する第 1 層の磁化の向き は、 Γ A向き」 t に揃え られた。 第 1 層は、 レーザ一ビームで加 熱された時の媒体の温度と室温との間に補償温度を有しないので、 照射時に印加された前処理磁界の向き と、 揃えられた第 1 層の磁 化の室温での向き とは、 同一である。
[0551] Hini . の向きが 「逆 A向き」 であるので、 溝に位置する第 2 層も、 Hini . により 「逆 A向き」 に揃えられるが、 この媒体は、 Aタイプであるので、 第 1 層が 「 A向き」 个 に揃えられる と、 第 1 層と第 2層との間には、 磁壁が生じない。
[0552] 〔実施例 2 第 2 発明の実施例〕
[0553] 実施例 1 で処理した媒体の中心部に、 Hini . の向きは 「逆 A向 き」 4 にすべしと記載したラベルを張りつけた。
[0554] 尚、 ラベルに変えて電気的又は磁気的又は機械的センサーが検 出できる 「マー ク 」 でもよい。
[0555] 〔参考例 3 〕
[0556] 実施例 2 の媒体を参考例 2 の記録装置にセ ッ ト した。 媒体を
[0557] 1800 rpm で回転させ、 記録を半径 r = 30mmの位置の トラ ッ ク上に 行なった。
[0558] レーザービームの強度は、 高レベルを記録層表面で7 · ο m w、 低レベルを同じ く 3.5 mWと した。 これにより、 高レベルのレー ザ一ビ一厶を照射すると、 媒体の温度は、 高温 T H = 200 でに 上昇して高温プロセスが実行され、 低レベルのレーザ一ビームを 照射すると、 媒体の温度は、 低温 T i_ = 130 でに上昇して低温プ 口セスが実行される。
[0559] 情報は、 1 M Hzの信号波と し、 レーザ一ビームを 1 M Hzで変調 し、 Hini. 及び H b を作用させながら、 トラ ッ ク上に記録を行 なつた。
[0560] 記録された情報を別の慣用的な光磁気記録再生装置で再生した と ころ、 CZN比は 55dBであった。
[0561] 次に情報を 2 M Hzの信号波と して同様に記録
[0562] (オーバーライ ト) と再生を行なったと ころ、 1 M Hzの信号は全 く 観測されず、 C Z N比は 52dBであった。
[0563] 〔比較例〕
[0564] 比較のために、 実施例 1 で、 前処理磁界を 「逆 A向き」 4 に変 えた外は全く 同様に処理した。
[0565] そ して、 この媒体を参考例と同様に記録再生を行なったと ころ、 オーバーライ 卜後では、 C/N比 ( 2 M Hzの信号) は 50dBで、 先 に記録された 1 M Hzの信号の消 し残りが観測され、 1 M Hzの信号 の消去比は 40dBであった。
[0566] 産業上の利用可能性
[0567] 以上のとおり、 本発明によれば、 本来、 無意味と思われていた 分離ゾー ンに位置する記録層の第 1層と第 2層と ©間に磁壁が存 在しないよう に処理したので、 時と して、 C/N比が低下したり、 前の情報が再生されたり、 ビッ トエラ一レー ト
[0568] (読み誤り率) が高いという問題点が解消される。
权利要求:
Claims

補正された鏞求の範囲
【1991年 4月 2日(02.04.91)国際事務局受理;出顔当初の ¾求の範囲 1-6は新しい請求の範囲 1— 10に Sき かえられた。 (2頁)】
. ( a ) 次 に 定義す る 「 ビ ー ム 変調 に よ り オ ー バ ー ラ イ ト 可能 な 光磁気記録媒体」 を 用意 す る 第 1 ス テ ッ プ :
• こ の 媒体 は、 垂 直磁気異方性 を 有 す る 記録層 と こ れ に 交換 結合 し た 垂直磁気異方性 を有 す る 記録補助層 と の 少 な く と も 2 層構造か ら な り、
- こ の媒体 は、 記録層 の 磁化 の 向 き は 変 え な い で 記録補助層 の磁化 の 向 き を 第 1 の 向 き に 揃 え る こ と が で き、
- こ の 媒体 は、 情報 を記録 す る 複数 の 卜 ラ ッ ク を 有 し、 隣接 の 卜 ラ 、ソ ク の 間 に は 分離 ゾ ー ン が形成 さ れ て い る、
及 び (b ) 前処理磁界 を印加 す る こ と に よ り、 分離 ゾ ー ン に お け る 記録層 の磁化の 向 き を 第 2 の 向 き に 揃 え、 そ れ に よ り、 記録 補助層 の磁化の 向 き を第 1 の 向 き に揃 え た と き、 分離 ゾー ン に お け る 記録層 と 記録補助層 と の 間 に、 磁壁が生 じ な い よ う に す る 第 2 の ス テ ッ プ : か ら な る 前処理方法。
. 前記媒体 が パ ラ レ ル タ イ プ で あ り、 第 1 の 向 き と 第 2 の 向 き と が 同 じ で あ る こ と を特徴 と す る 請求 の範囲 1 記載の 方法。
. 前記媒体 が ア ン チ ノ ラ レ ル タ イ プ で あ り、 第 1 の 向 き と 第 2 の 向 き と が反対の 関係に あ る こ と を 特徴 と す る 請求 の範 囲 1 記 載の方法。
. 前記第 2 ス テ ッ プ に お いて、 前記媒体 を加熱 す る こ と を特徴 と す る 請求 の範囲 1 に従 う 方法。
. 更 に、 ( c ) 分離 ゾ ー ン に お け る 記録層 の磁化 の 向 き が第 2 の 向 き に 揃 っ て い る こ と を、 前記媒体 に、 表示 す る 第 3 ス テ ッ プ を 付加 し た こ と を特徴 と す る 請求 の範囲 1 に 従 う 方法。
. 更 に、 ( c ) 分離 ゾ ー ン に お け る 記録層 の磁化 の 向 き が第 2 の 向 き に 揃 っ て い る こ と を 前記媒体 を 収納 し た容器 に、 表示 す る 第 3 ス テ ッ プ を付加 し た こ と を特徴 と す る 請求 の範囲 1 に従 う 方法。
7 . 前記第 2 ス テ ッ プ の 後 に. 更 に ( d ) 初 期補助磁界 を 印加 す る こ と に よ り、 記録補助層 の磁化 の 向 き を 第 1 の 向 き に揃 え る 第 4 ス テ ッ プ を付加 し た こ と を特徴 と す る 請求 の範囲 1 に 従 う 方 法。
δ . ( a ) 次に 定義す る 「 ビ ーム 変調 に よ り オ ー バ ー ラ イ 卜 可能 な 光磁気記録媒体」 で あ っ て、
- こ の媒体 は、 垂直磁気異方性 を有す る 記録層 と こ れ に交換 結合 し た垂直磁気異方性 を有す る 記録補助層 と の少 な く と も 2 層構造か ら な り、
- こ の媒体 は、 記録層の磁化の 向 き は変え な い で記録補助層 の磁化の 向 き を第 1 の向 き に 揃 え る こ と がで き、
- こ の媒体 は、 情報を記録す る 複数の 卜 ラ ッ ク を有 し、 隣接 の 卜 ラ ッ ク の 間 に は分離 ゾー ン が形成さ れて い る、 かつ、 (b ) 加熱 し な が ら 又 は加熱せず に前処理磁界 を 印加す る こ と に よ り、 分離 ゾー ン に お け る 記録層 の磁化の 向 き を 第 2 の 向 き に揃 え、 そ れ に よ り、 記録補助層 の磁化の 向 き を第 1 の 向 き に揃 え た と き、 分離ゾー ン に於 け る 記録層 と 記録補助層 と の 間 に、 磁壁が生 じ な い よ う、 前処理 さ れ た媒体。
9 . 第 1 の向 き が前記媒体 自 身又 は媒体 を収納 し た容器 に 表示 さ れ た請求の範囲 8 の媒体。
1 0 . 第 2 の向 き が前記媒体 自 身又 は媒体 を収納 し た容器 に表示 さ れ た請求 の範囲 8 の媒体。
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同族专利:
公开号 | 公开日
DE69024196D1|1996-01-25|
JPH03147549A|1991-06-24|
JP3038735B2|2000-05-08|
EP0451297A1|1991-10-16|
EP0451297A4|1992-09-30|
DE69024196T2|1996-10-10|
EP0451297B1|1995-12-13|
US5258973A|1993-11-02|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
1991-05-16| AK| Designated states|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): US |
1991-05-16| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AT BE CH DE DK ES FR GB GR IT LU NL SE |
1991-06-27| WWE| Wipo information: entry into national phase|Ref document number: 1990916077 Country of ref document: EP |
1991-10-16| WWP| Wipo information: published in national office|Ref document number: 1990916077 Country of ref document: EP |
1995-12-13| WWG| Wipo information: grant in national office|Ref document number: 1990916077 Country of ref document: EP |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
JP1285537A|JP3038735B2|1989-11-01|1989-11-01|オーバライト可能な光磁気記録媒体及び前処理方法|
JP1/285537||1989-11-01||DE69024196T| DE69024196T2|1989-11-01|1990-10-31|Vorbereitung eines optomagnetischen aufzeichnungsmediums und vorbereitetes überschreibbares optomagnetisches aufzeichnungsmedium|
EP90916077A| EP0451297B1|1989-11-01|1990-10-31|Pretreatment of overwritable opto-magnetic recording medium and pretreated overwritable opto-magnetic recording medium|
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